前回で「B-SELSで買ったレコード」シリーズ:シーズン10は終了したのだが、余波が残っている。
ビートルズを採り上げると、そっちの世界からなかなか帰って来れなくなるのは、いつものことである。
ということで、今回の「レコード評議会」は前回の流れからこの盤。
Magical Mystery Tour
日本盤(1968年)ステレオ
Odeon
OP•4335-6
SideA:7YCEー18435 1S 27 〄
SideB:7YCE–18434 1S 27 〄 ST2
SideC:7YCE–18436 1S 20 〄 ST2
SideD:7YCE–18437 1S 26 〄






日本盤EP「マジカル・ミステリー・ツアー」、ステレオ盤。
UK盤EPのリリースは1967年12月8日だが、日本盤EPはその3ヶ月後の1968年3月10日。
レア・アイテムとして、盤面が赤い赤盤、赤いオビ、2種類のしおり(購入者へのプレゼント)というものがあるとのことで、これらが全部揃った美盤だと数万円どころか何十万円もするらしい。
一方、私の手元にある盤は、数年前に千円でに入れたものである。
盤面が黒い黒盤で、オビもしおりも付いていない。しかもジャケットとブックレットがかなり傷んでいたため、格安だったという訳だ。
さて、この盤はステレオ盤なのだが、そもそも日本においてはモノラルでは発売されておらず、ステレオ盤しか存在しない。
その他、日本盤EPの特徴を列挙してみると…
歌詞カードについて、UK盤は青い紙が使われているが、日本盤は白い。
歌詞カードの和訳がブックレットに綴じ込まれている。
前回記事に書いた通り、UK盤は通常のシングル盤・EP盤より一回り大きいのに対し、日本盤は通常の大きさ。
UK盤と同様、A面とB面のマトリクスの番号が入り繰っている。A面よりB面の数字の方が若い。
A面:7YCE 18435:Magical Mystery ..., Your Mother ...
B面:7YCE 18434:I Am The Walrus
C面:7YCE 18436:The Fool ..., Flying
D面:7YCE 18437:Blue Jay Way
UK盤EPモノラル:シングルのB面をEPのB面に流用したことから番号が入り繰った(詳しくは前回記事をご参照)
UK盤EPステレオ:モノラルの番号を踏襲した
日本盤EP:UK盤の番号をそのまま付けた(当時の日本人スタッフも何で?と思っただろうな…)
…という訳だ。
そして、何よりも最大の特徴は…
UK盤が45回転なのに対し、日本盤は33回転!
Discogsを見てみると、この盤のみならず、他のタイトルを含め日本盤EPは全て33回転らしい。
EPは基本的に片面に2曲収録され、収録時間が長くなるので、日本では安全策を取って33回転にしているのだろう…
さて、そんな日本盤EP「マジカル・ミステリー・ツアー」なのだが、肝心の音はどうかと言うと…
悪く無い。
UK盤と比べるとさすがに音の鮮度では劣るものの、なかなかに明瞭な音像で、低音も確りと出ている。
本家本元・王道のUK盤を始め、勝手編集のUSキャピトル盤、UKマザーや独自カットの各国盤など、色々な楽しみ方が出来るビートルズだが、日本盤はというと身近であるが故に有り難みが少なく、正直軽視していた。
だが、素直に聴くと日本盤も結構良い音ではないか。
日本盤は外国人に人気があるらしい。
オビがあることに加え、日本人は扱いが丁寧なのでレコードの盤質が良い、というのが人気の理由と言われているが、良い音でもあるから人気がある、ということなのだろう。
そう言えば、以前に採り上げたシングル「ストロベリー」の日本盤やLP「マジカル・ミステリー・ツアー」のEAS盤も結構良い音だったな、と…
日本盤、侮るべからず…
ということで、次回の「レコード評議会」は「B-SELSで買ったレコード」シリーズ:シーズン11となります。
また、B-SELSに行ってしまった…