レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

Forest Flower / Charles Lloyd【US盤】

前回からの流れで、今回もJack DeJohnetteジャック・ディジョネット関連を採り上げようと思う。

 

 

Miles Davisマイルス・デイヴィスが1990年の自伝でJack DeJohnetteについてこう語っているところがある。

 

The sound of my music was changing as fast as I was changing musicians. I was looking for the combination that could give me the sound. I wanted a drummer to play certain funk rhythms. Tony [Williams] had left to form his own group, Lifetime. So I got Jack DeJohnette, who had been playing with Charles Lloyd. Jack was a great drummer, powerful and creative, and he could play anything—rock, funk, or straight-ahead jazz. He had a real flexible kind of sound and approach, and he listened. I liked that about him.

俺の音楽のサウンドはメンバーを変える度に変わっていった。俺が求めていたのは"その音"をもたらす組合せだった。正にそんなファンク・リズムを叩けるドラマーが欲しかったんだ。トニー・ウィリアムスは自分のバンド、ライフタイムを結成するためにバンドを抜けた。そこで俺はそれまでチャールス・ロイドのもとで叩いていたジャック・ディジョネットを加えたジャックはグレイトなドラマーだった。パワフルで、創造的で、ロック、ファンク、ストレート・アヘッドなジャズ、どんな音楽でも叩けた。奴のサウンドとアプローチには本当に柔軟さがあったし、周りの音をよく聴いていた。そんなところを俺は気に入っていた。

 

ということで、今回の「レコード評議会」は…

 

 

Charles Lloyd

Forest Flower : Charles Lloyd At Monterey

US盤(1967年)

Atlantic

SD 1473

SideA:ST-A-66943-A  LW  AT  W

SideB:ST-A-66944-A  LW  AT  W


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SideA

 1. Forest Flower - Sunrise

 2. Forest Flower - Sunset

SideB

 1. Sorcery

 2. Song Of Her

 3. East Of The Sun

 

 

Charles Lloydチャールス・ロイドのカルテットによる1966年9月18日録音のモントレー・ジャズ・フェスティバルMonterey Jazz Festival、1966年9月16〜18日)におけるライヴ盤。

 

正確にはA1-2とB3 がライヴ録音で、B2とB3はスタジオ録音(1966年9月8日、ニューヨーク Atlantic Recording Studios)である。

 

 

メンバーは…

Charles Lloydチャールス・ロイド)テナーサックス、フルート
Keith Jarrettキース・ジャレット)ピアノ
Cecil McBeeセシル・マクビー)ベース
Jack DeJohnetteジャック・ディジョネット)ドラム

 

当時、Cecil McBeeは31歳、Charles Lloydは28歳、Jack DeJohnetteは24歳、Keith Jarrettは21歳。後にジャズ界の巨匠、ジャズ・ジャイアントと呼ばれるJack DeJohnetteKeith Jarrettはキャリア駆け出しの20歳代前半だ。

 

 

で、このアルバム、リリースされたのは1967年2月21日なのだが、当時のアメリカはフラワー・ムーヴメントFlower Movementが盛り上がりつつあった頃。同年6月にはサマー・オブ・ラヴSummer of Loveの象徴モントレー・ポップ・フェスティバルMonterey International Pop Festival、1967年6月16日〜18日)が開催されている。

 

その様な社会的ムーヴメントの中、「Forest Flower」というタイトル、モントレーでのライヴ、自由で解放的な曲調が時代の空気に合ったのだろう、本アルバムはFMラジオのロック番組でも流れたという。

そして、ジャズとしては異例のミリオンヒットとなった。

 

 

聴きどころは、何と言っても17分以上に及ぶ2部構成の組曲"Forest Flower- Sunrise, Sunset"。

自由で解放的な曲調で、スピリチュアルな空気感もある。

 

Jack DeJohnetteCecil McBeeが繰り出す多彩なリズムが素晴らしい。ボサノヴァや4ビートなど変幻自在にリズムが移り変わっていく。

 

そんなリズムに、Charles Lloydの付帯音の多い音色、雑味のあるトーンのテナーサックスが乗る。浮遊感のある大きなノリのフレージングが気持ち良い。

 

Keith Jarrettのピアノは正に彼らしい洗練されたもの。一方で熱が入ってくるとフリーフォームに突入し、最後にはピアノ線を直接弾いたり叩いたりしているところが面白い。

 

曲の後半には左から右に横切る飛行機のエンジン音が聴こえる。会場が飛行場に近かったため入った音とのことだが、雰囲気がある。

 

 

個人的には、Keith Jarrettの作曲による"Sorcery"も気に入っている。

一聴して彼が作ったと分かる、後のECMでのヨーロピアン・カルテットで聴ける様な曲調だ。

 

Charles LloydのフルートとKeith Jarrettのピアノが同時に即興演奏を繰り広げている。

 

なお、スタジオ演奏なのだが、ソロの後ろと曲の最後に拍手がオーバーダビングされており、ライヴの様に加工されている。

 

 

"Forest Flower- Sunrise, Sunset"の自由で解放的な曲調の印象が大きいのだろうが、アルバム全体としてもそれまでのジャズとは空気感が違う。クロスオーバーの一歩手前といった感じ、と言ったら良いのだろうか…

 

そんなことを思いつつ、この時代のGrateful Deadグレイトフル・デッドを聴いてみると、どこか通じるものがあるな…と感じる。

 

いずれにしても、フラワー・ムーヴメントサマー・オブ・ラヴといった当時の空気感がジャズに反映した音楽ではあるのだろう。

 

そんな意味でも、時代の名盤と言えるアルバムである。

 

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最後にこんなことを考えてみた。

 

冒頭にも記載した通り、後にJack DeJohnetteはジャズの帝王Miles Davisにスカウトされて彼のグループに参加することになる。

また、Keith Jarrettも同様にMiles Davisにスカウトされて彼のグループに参加している。

 

もしかすると、Miles Davisはこのアルバム「Forest Flower」を聴いてキャリア駆け出しの2人に興味を持ったのではないだろうか?

 

間違い無いと思うが、どうだろう…

 

 

 

1966年9月16〜18日

モントレー・ジャズ・フェスティバル(Monterey Jazz Festival)のポスター

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