今回の「レコード評議会」は「B-SELSで買ったレコード」シリーズ:シーズン14の最終回です。
なかなか来れないので、折角ならもう1枚… と思い、世界一の品揃えの棚に向かう。
私「そう言えば、オールディーズはステレオは持っているんですけど、純粋なモノラルって持っていないんですよ」
ご店主「そうなんですね」
私「フランス盤のモノラルは持っているんですけど、あれはステレオをモノラル化したものですもんね」
ご店主「フランス盤はそうですね。音が良いので、私は好きですよ」
私「確かに音は良いですね。音が良いと言えば、以前にこちらで買ったチェコスロバキア盤のステレオは良い音でしたね」
A Collection Of Beatles Oldies / The Beatles【フランス盤(モノラル)】
A Collection Of Beatles Oldies / The Beatles【チェコスロバキア盤(ステレオ)、オランダ盤(ステレオ)】
などとご店主と話をしながら「オールディーズ」の並んでいる棚を見ると、ポップにこう書かれている盤があった。
UK モノ Orig. 良盤!!
初期マザー・スタンパー 2T!!
マザー・スタンパー 4MO / 2T
"Michelle"に小さなキズ有 他はかなり良い状態
良い音です!!
The Beatles
A Collection Of Beatles Oldies
UK盤(1966年)モノラル
Parlophone
PMC 7016
SideA:XEX 619-1G MO 4
SideB:XEX 620-1G T 2




SideA
1. She Loves You
2. From Me To You
3. We Can Work It Out
4. Help!
5. Michelle
6. Yesterday
7. I Feel Fine
8. Yellow Submarine
SideB
1. Can't Buy Me Love
2. Bad Boy
3. Day Tripper
4. A Hard Day's Night
5. Ticket To Ride
6. Paperback Writer
7. Eleanor Rigby
8. I Want To Hold Your Hand
「オールディーズ」のUK盤モノラル。
マザー・スタンパーがA面4/MO(45番目)、B面2/T(9番目)。
私「B面が2Tとはかなり初期のスタンパーですね。A面も4MOと2桁ですから、期待出来ますね」
ご店主「"Michelle"で少しキズが音に出ますけど、音は良いですよ。聴かれますか?」
私「では"Michelle"から聴かせてください」
ということで、A面を試聴させていただくと…
私「いやいや、良い音ですね!"Michelle"も多少音に出ますけど、気になるほどではないです。良いじゃないですか!」
ご店主「B面も聴かれますか」
私「では"Bad Boy"からお願いします」
ということで、B面を試聴させていただくと…
私「これは良い音!」
ご店主「うん、良い音ですね」
私「アナログ・ミステリー・ツアーには、オールディーズのモノラルは音が少しイマイチ?みたいなことが書かれていますけど、全然良い音じゃないですか、これは!」
「オールディーズ」UK盤モノラルは書籍「アナログ・ミステリー・ツアー」に"輪郭がはっきりしない"、"精彩に欠ける"などと書かれていたので、少しイマイチなのかも?と思っていたのだが、全くそんなことは無い。
音の輪郭もピシッとしているし、音の勢いもグンっと来るし、ご店主がポップに「良い音です!!」と書かれている通り、ホントに良い音である。
私「いやぁ、良い音です!これを買おうかな…」
と、ここで実は気になる盤がもう1枚あった。
スタンパーが3桁(100番台)ながら盤質が素晴らしく、静かな曲である"Michelle"や"Yesterday"も綺麗に聴くことが出来る、といういわゆる美盤があったのだ。
私「こちらの盤も気になります。少し聴かせてもらえますか。"Michelle"と"Yesterday"をお願いします」
ということで、A面を聴かせてもらうと…
私「いやぁ、これは綺麗です!これは良い」
ご店主「この様に綺麗な盤はなかなかありませんからね。B面もどうですか?」
私「ではさっきと同じ様に"Bad Boy"からお願いします」
ということで、B面を試聴させていただくと…
私「おぉ、これも素晴らしい!ホント盤質が良いんですね」
60年前のレコードで、この様に綺麗な盤はそうそう無いだろう。
以前にB-SELSで買った、スタンパー3桁ながら盤質が素晴らしく良く、もの凄く良い音で鳴る「ハード・デイズ・ナイト」を思い出した。
「マイルール『迷った時は美盤の方』の法則」という利右衛門さん(もしくは音(おと)さん)の名言もあるしな…
…これは悩む。
私「もう一度、2Tの"Bad Boy"を聴かせてもらえますか」
ご店主「どうぞどうぞ、聴いてください」
ということで、今一度試聴させていただくと…
私「うん!先ほどの美盤の方が綺麗でとても良い音でしたけど、"Bad Boy"の勢いはこちら2Tの方が上に感じます!」
ご店主「スタンパー1桁となると、やはり音は違いますからね」
私「さすがの2T、スタンパー1桁ということなんですね。いやあ、悩みましたけど、こちらを買います!」
ご店主「ありがとうございます」
チリパチの無い綺麗な音が良いと思う時もあれば、多少チリパチがあっても高い鮮度や勢いがある音の方が良いと思う時もある。
どちらを選ぶかは、そのレコードに何を求めるかによって変わる。
"Michelle"や"Yesterday"を綺麗な音で聴くことの出来る美盤の方が断然良いと思う人も多いだろう。
だが、今回私は、UK盤ではこのアルバムでしか聴くことの出来ない"Bad Boy"のより勢いのある音を選んだ… そういうことである。
家に帰ってから、全曲聴いて改めて思ったが、ホント良い音である。
特に2TのB面に高い鮮度と勢いを感じる。ビッとした輪郭のベースの鳴りも良い。
その中でも"Bad Boy"、 "Day Tripper"、 "A Hard Day's Night"、 "Ticket To Ride"でのジョンの勢いが凄い。
「オールディーズ」UK盤モノラルは音が少しイマイチなのか?との思い込みがあったのだが、今回それが払拭された。
レコードは実際に自分の耳で聴かないと分からないものだ… と改めて思った次第である。

それにしても、今回も長時間になってしまった(笑)。
散々試聴させていただいて、楽しい時間を過ごさせていただいて、ご店主には感謝感謝である。
B-SELS、また行こう!

「オールディーズ」のジャケット風にしてみました☟

(おまけ)
ところで、このアルバムの収録曲は以下の通りとなっている。
UKシングル15曲(両A面の場合は両面とも)
UKシングル未発売2曲:"Yesterday"、 "Michelle"
UK未発売1曲:"Bad Boy"
一方で、最初2枚のUKシングル"Love Me Do"と"Please Please Me"は収録されていない。
"Yesterday"、 "Michelle"の代わりに、"Love Me Do"、 "Please Please Me"の2曲を入れれば「UKシングル17曲全て&未発売1曲」と収まりが良かったのに… と思うのだが、何故そうしなかったのだろう?
明確な記録は無いが、おそらくこういうことだったのではないだろうか…
本アルバム収録のUKシングル15曲は全てUKチャート1位なのに対して、"Love Me Do"と"Please Please Me"は1位になっていない。
ヒットチャート1位になっていない曲で、かつ最も過去の曲なので、各落ち感があった。
しかも"Love Me Do"のUKシングルはリンゴのドラム(アルバムはアンディ・ホワイトのドラム)だが、マスター・テープが処分されているため、収録しようとしても出来なかった(後年のものは盤起こし)。
それに対して、"Yesterday"はアメリカを始め各国でシングル発売され、人気が高い曲だった。
また、"Michelle"はヨーロッパ各国他でシングル発売され、また1967年にはグラミー賞で最優秀楽曲賞を受賞するなど、評価が高い曲だった。
シングル曲のみでは勢いのある、アップテンポの曲に偏ってしまうが、"Yesterday"、 "Michelle"というバラードを2曲入れることによって、アルバム全体としてバランスが良かった。
本アルバムの収録曲は「No.1ヒットのシングル15曲、珠玉のバラード2曲、未発表曲1曲」となり、EMIとしてはプロモーション的にも最高の組み合わせだった。
かなり真相に近いかな?と思いますが、どうでしょう…
(追記)
この記事について、B-SELSで紹介いただきました。
ご店主、ありがとうございます。