B-SELSに行ってきた(B-SELSのHPはこちら)。
東京から関西への出張に合わせて、3月、4月、5月と今回で3回目の訪問になる。
1回目:The Beatles (White Album)【UK盤】
出張のついでのB-SELSなのか、B-SELSのついでの出張なのか、自分でも何だか分からなくなってきた。
B-SELSとは奈良にあるビートルズのアナログレコード専門店なのだが、ビートルマニアにとって、特にアナログレコード好きな人にとっては楽園とも言えるところ。
ディズニーファンにとってのTDR、ハリーポッターファンにとってのUSJのようなものと言ったら分かり易いだろうか(余計分かりにくいか)。
で、今回は新大宮駅から平安宮跡や法華寺を周って後、近鉄奈良駅前のB-SELSに到着。
いつもながら、凄い(素晴らしい)品揃えだ。
UKオリジナル盤は当然のこと(←当然のように置いてあること自体が凄いのだが…)、スタンパーが若い貴重な盤や様々な国のオリジナル盤が並んでいる。
シングルとEPのコーナーも充実している、と言うか、凄い。
南米やらアフリカやらの盤もボックスに収められていて、万国博覧会状態だ。
滞在中に4人組のお客さんが入ってきて、ひとしきり見て「はぁ、凄いなぁ」と言っていたのだが、私も全くもってそう思う。
以前にも書いたが、日本中、いや世界中を見渡しても、こんなお店はまずあるまい。
これ以上の品揃えを誇る店は他に絶対にない、と断言できる。
ということで、またしても2時間以上滞在してしまった。
そんな訳で、この度の「レコード評議会」は、今回B-SELSで購入したこの盤。
Let It Be
UK盤(1970年)
Apple Records
PCS 7096
Side1:YEX 773-2U 1 MR
Side2:YEX 774-2U ×1 PD
Side1
1. Two Of Us
2. Dig A Pony
3. Across The Universe
4. I Me Mine
5. Dig It
6. Let It Be
7. Maggie Mae
Side2
1. I've Got A Feeling
2. One After 909
4. For You Blue
5. Get Back
ラストアルバム「レット・イット・ビー」の赤リンゴ盤(Red Apple)で、マトは両面2U。
赤リンゴ盤とは、裏面ジャケットのリンゴが赤い初盤のものを言う。後に緑リンゴ(Green Apple)となる。
マト2Uとは、初盤のマトリックス(matrix)のことを言う。後に3Uとなる。
この盤は、以前から気になっていたのだが、訪問1回目は「ホワイト・アルバム」モノラル初盤、2回目は「リボルバー」モノラル回収マト盤に阻まれ(?)、購入を断念していたものだ。
「2Uがあったら、それはもうご縁だ、その時は買う」と思いながら、お店のドアを開く。
まずはご店主にご挨拶して(覚えていていただいて光栄です)、端からレコードを見ていく。
あった。
両面2U、しかもマザー1&スタンパー2桁。
Side1: 1 MR =マザー1番、スタンパー41番
Side2:×1 PD =マザー1番、スタンパー50番
「前からこれ、気になっていたんですよ。聴かせていただいていいですか?」と、大きなスピーカーで試聴させていただく(両面全曲試聴できるので、有難いことです)。
スピーカーから出てきたのは、これがもう素晴らしい音。
全曲だとキリがなくなるので、特に感銘を受けたものに絞って書くと…
Side1
バスドラのタイトなビシッとした音に驚く
アコギのカッティングが素晴らしい
Dig A Pony
ドラムがタイトで、バンッ、バシッと鳴る
リードギターのキレが凄い
ボーカルがそこで歌っているように近い
I Me Mine
ドラムの多彩な動きに驚く
リードギターがこれまたキレている
Let It Be
ディレイが掛かったハイハットが鮮明
タム回しもタイトで気持ち良い
オルガンの響きが素晴らしい
ギターソロが前に出てくる
ボーカルも説得力が増している
Side2
I've Got A Feeling
ベースの輪郭が明瞭、ノリが気持ち良い
多彩なギタープレイに気付いた
One After 909
リードギターのカッコ良さが倍増
2人(ジョン&ポール)がそこで歌っているようだ
For You Blue
シンプルなドラムがタイトで推進力を感じる
スチール・ギターの響きが良い感じ
ホンキートンク・ピアノの響きが良い感じ
Get Back
右のリズムギターのキレがこの上ない
左のリードギターがカッコいい
中央のエレピソロが素晴らしい
シンプルでノリの良いベースが跳ねるよう
話し声もはっきり聴こえる
I'd like to say thank you on behalf of the group
and ourselves, and I hope we passed the audition
全体を通して、音がとてもタイトだ。
ドラムがこんなにもビシッとしていたのか、と驚いた。
ギターなどの楽器も一つ前に出てきている。
ベースも輪郭がしっかりしている。
そして、マザー1&スタンパー2桁ということも大きく影響しているのだろう、音がとても新鮮だ。
その旨をご店主に伝えると「2Uは一段と音が引き締まっている感じがしますね」と仰る。
やっぱりそうか、自分の耳もまんざらではないのだ。
今まで「レット・イット・ビー」は、やや気怠い印象を覚えることもあったが、そんな感じは全くしない。
ビシッと引き締まった演奏ではないか、と印象が変わった。
ということで、今回もB-SELSで素晴らしい盤を譲っていただいた。
欲しいと思っていた「レット・イット・ビー」マト2U、しかもマザー1&スタンパー2桁。
ここで手に入れなければ、一生手に入れられなかったかもしれないと思うと、正に一期一会だなぁ、と。
B-SELSでの楽しいひとときと素晴らしい盤に感謝。
B-SELS、一期一会を求めて、また行くべし…
(追記)
家に帰って、手持ちのUK盤3Uと聴き比べてみて、改めて驚いた。
UK盤3Uも決して悪いことはなく、かなり良い音なのだが、マザー・スタンパーが若いことも相まってか、今回購入した2Uの方が新鮮かつタイトな音で、圧勝だった。
うーむ、ここまで違うのか…
これだからレコードは恐ろしい(面白い)。
(追記2)
実は、B-SELSでは、その他にシングル盤を2枚購入している。
これがまた、ご店主から教えていただいたことも含め、なかなかに面白い。
それについては、また次回に…
続きはこちら ☟
(追記3)
B-SELSの日記に紹介されました。
ご店主、ありがとうございます。