前回は、アメリカ編集盤アルバム「ヘイ・ジュード」のデンマーク盤だった。
デンマーク盤をもう一枚持っているので、今回の「レコード評議会」はこれ。
…もうほとんど「ビートルズ評議会」と化している。
デンマーク盤(1969年)
Apple Records
PCS 7088
Side1:YEX 749-2
Side2:YEX 750-1
7年程前にDiscogsでデンマークのセラーから買ったものだ。
ジャケットはイギリス製なので、外から見ただけではデンマーク盤とは分からない。
で、横からレコードを取り出して吃驚した。
センターレーベルのリンゴが蛍光色…
何だこれ?
一瞬ブートレッグか!と思ったが、マトリクスを見るとYEX 749-2 / YEX 750-1で、間違いなくUKマザー。
"Made In Denmark"と表記されており、イギリスから取り寄せたUKマザーをもとにしたデンマーク・プレスということだ。
それにしても、この蛍光色のリンゴ… 色を重ねながら印刷するところ、何らかの理由で途中で止めてしまったのか?それともインク切れになってしまったのか?
いずれにしても、一種のエラー盤なのだろう…
うーむ、これで音は期待できるのか?と思ったが、その思いに反してこれがなかなかに素晴らしい音。
ベースが太い音で跳ねるように鳴る。
バスドラムやタムが力強い。
シンバルのシャーンという音がきれいに響く。
アコースティックギターが美しく鳴る。
全体の印象としては、音が太くて力強い。そして端正な音だ。
さすがのUKマザー。しかも人口が少ないデンマーク・プレスということなので、間違いの無い音だ。
それにしても、こんなセンターレーベルのまま発売してしまうのか…
音が良いからOKだけど、当時のデンマークの人達はこのレコードを見てどう思ったのかな?と想像すると、面白い。
ビートルズの各国盤はやっぱり面白い。
(おまけ)
先日B-SELSで買ったノルウェー盤と聴き比べてみた。
両方ともUKマザーの人口が少ない国の自国プレスなのだが、明らかに音の響きが違う。材質の違いなのだろうか。
デンマーク盤が力強く端正な音の一方、ノルウェー盤のほうは音に広がりが感じられる。加えてより明瞭で音がリアルであり、ノルウェー盤の方がワンランク上の音に思える。
決してデンマーク盤が悪いのでは無い。充分に満足できる音なのだが、ノルウェー盤がスゴ過ぎるのだ。
さすがB-SELSのご店主が「スゴイ音」と評した音だ。
ということで、デンマーク🇩🇰 vs. ノルウェー🇳🇴の北欧ヴァイキング対決、ノルウェー側に軍配が挙がったのであった。