レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

Rubber Soul / The Beatles【US盤(モノラル)】

前回11月にB-SELSに行ってから11回連続でビートルズ関係を採り上げている。

 

ブログのタイトルを「レコード評議会(a.k.a.ビートルズ評議会)」にしようかと思ったりもするが、そんなことをするとますますビートルズの「」にハマり、帰って来れなくなるのでやめておく。

 

ということで、引き続き「レコード評議会」のまま続けるが、そうは言いつつ、今回採り上げるレコードも相変わらずビートルズ

 

 

The Beatles

Rubber Soul

US盤(Gloversville pressing)(1965年)モノラル

Capitol

T 2442

Side1:T1-2442-P1-G

Side2:T1-2442-T4G


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Side1 

 1. I've Just Seen A Face

 2. Norwegian Wood(This Bird Has Flown)

 3. You Won't See Me

 4. Think For Yourself

 5. The Word

 6. Michelle

Side2

 1. It's Only Love

 2. Girl

 3. I'm Looking Through You

 4. In My Life

 5. Wait

 6. Run For Your Life

 

ラバー・ソウル」のUSモノラル盤

 

7年前にDiscogsで海外のセラーから25ドルで買ったものだ(当時の為替レートで約3千円、今では倍以上の値段で大手レコ屋に並んでいる)

 

 

このレコードはUS盤の中でも話題になることの多いレコードだ。

 

ビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソンは「ラバー・ソウル」に衝撃を受け、大いに触発されて、傑作「ペット・サウンズ」を作った。

さて、ブライアンが聴いた「ラバー・ソウル」はUK盤なのか?US盤なのか? ブライアンはアメリカにいるので、答えはUS盤なのだろう。

 

だが、そのUS盤ビートルズが意図した「ラバー・ソウル」では無かった… という話である。

 

収録曲を見れば一目瞭然だ。

 

A面1曲目が前作アルバム「ヘルプ!」から持ってきた"I've Just Seen A Face"。

B面1曲目も同アルバムの"It's Only Love"。

 

一方、UKオリジナル・アルバムに収録されている以下の4曲が外されている。

A面:"Drive My Car"、"Nowhere Man"

B面:"What Goes"、"If I Needed Someone"

(この4曲は次のUSアルバム「エスタデイ・アンド・トゥデイ」に収録される。)

 

シングル曲の寄せ集めでは無く、全体のイメージを持って制作されたアルバムなのだろうに、勝手に曲を外され、あまつさえアルバムの顔とも言えるA面1曲目を変えられてしまうとは…

 

UKオリジナル・アルバムとしての「ラバー・ソウル」は、ロック、ポップス、ソウル、R&B、カントリー、フォーク、フレンチ、バロックといった様々な色合いを持った楽曲がバランス良く収められているアルバムだ。

 

だが、US盤はと言えば、ロック、ポップス、ソウル、R&B、カントリーの色合いがある4曲が外され、フォークの色合いが強い2曲が加えられたせいで(しかもA面B面の1曲目)、アルバム全体のイメージがフォークに寄っている。

まるで、フォーク・ロックのアルバムのようだが、Capitolは狙ってこのようにしたのだろうか(1965年にザ・バーズがデビューしているし)

 

ということで、ブライアン・ウィルソンビートルズが意図したものとは別物の「US版 ラバー・ソウル」に触発されて、傑作「ペット・サウンズ」を作ったという、嘘から出たまことと言うか、瓢箪から駒みたいな話なのである。

 

 

さてこの盤、マトリックスの末尾に"G"とあるが、これは米DeccaのGloversvilleにあるレコード・プレス工場でプレスされたものを意味しているという。デッカ委託製造盤というやつだ。

アルバムの売れ行きが良かったため、Capitolの工場だけでは需要に供給が追い付かないとして米Deccaに製造を委託したという訳だ。

(ちなみに米国Capitolのレコードプレス工場はこちら

 

で、肝心の音はどうか?と言うと…

 

A面、1曲目"I've Just Seen A Face"から始まるのに違和感を感じつつ、聴き進める。

 

うーん? 高音域は結構キレのある音だが、中低音域が、特に低音域が少し弱いかな?ベースの鳴りが足りない。

 

次にB面、これまた1曲目"It's Only Love"に違和感を感じつつ、聴き進める。

 

こちらはA面よりベースが出ている。だが、やっぱりもう少し音に圧が欲しいかな?

 

一方で、"Michelle"や"Girl"、"In My Life"といったスローな曲のボーカルやコーラスは良い感じだ。

 

でもやっぱり、アルバム全体を通して少し腰高な音で、もっとベースがビシッとして活き活きした感じが欲しい。音の輪郭が甘いのかな、という気もする。

 

ということで、やや残念な感じが拭えない…

 

…のであるが、だからと言ってこの「US版 ラバー・ソウル」、嫌いではない。

 

フォーク・ロックのアルバムに変わってしまった「US版 ラバー・ソウル」、アメリカではこれが「ラバー・ソウル」なのかぁ、と思いを馳せながら聴くのも乙なもの。

これで音が良かったらなぁ…と思いながらも、結構愛聴している。

 

 

そんな折、最近ネットでこういった説があると知った。

 

レコードをカッティングするに際してのEQカーブイコライザーカーブ)はレコード会社毎バラバラだったが、それではレコードを再生する際の調整が大変だということで、1954年に全米レコード協会により業界統一カーブとしてRIAAカーブが定められた。

以降、全てのレコードはRIAAカーブでカッティングされているはずなのだが、一部の会社では従来通りのEQカーブが続いており、CapitolCapitolカーブのままだった。このため、US Capitol盤は普通にレコードを再生RIAAカーブで再生)したのでは良い音にならないが、Capitolカーブで再生すると良い音で鳴るというのだ。

 

そうなのか?

 

この「ラバー・ソウルUS盤、ジャケット裏面の右下には RIAA のロゴがあるのだが、業界統一カーブであるRIAAカーブを使っておらず、Capitolカーブでカッティングされているのか?

 

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この「ラバー・ソウルUS盤Capitolカーブで再生すると良い音で鳴るのか?

 

一方で、先の記事にある「リボルバー」のように、良い音のUS Capitol盤もある。

 

工場毎にマトリックスも違うので、別の工場による盤なら良い音で鳴る、ということもあるだろう。

また、スタンパーが若ければ良い音で鳴る、ということもあるだろう。

 

ふむう、EQカーブ毎に調整が出来るイコライザーを手に入れるか、製造工場別にレコードを手に入れるか、それともスタンパーが若い盤を求めてとにかく数多く手に入れるか…

 

いやいや、こんなことしていたらエライことになる。

US盤でこんなに悩むのはやめよう…

やめよう…