レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

Hey Jude(The Beatles Again)/ The Beatles【US盤】

ビートルズUS盤シリーズ、前回の「マジカル・ミステリー・ツアー」で終了のはずだった。

 

だが、こんな盤を見つけてしまった。

この盤は、見つけてしまったからには買わざるを得ない。

 

ということで、今回の「レコード評議会a.k.a.ビートルズ評議会)」はこれ。

今度こそ最後とするので、お許し願いたい…

 

 

The Beatles

Hey JudeThe Beatles Again)

US盤(Scranton Pressing)(1970年)

Apple

SW-385  SO-385

Side1;SO-1-385 Z3  Bell Sound sf  IAM

Side2:SO-2-385 Z10 Bell Sound sf IAM


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Side1

 1. Can't Buy Me Love

 2. I Should Have Known Better

 3. Paperback Writer

 4. Rain

 5. Lady Madonna

 6. Revolution

Side2

 1. Hey Jude

 2. Old Brown Shoe

 3. Don't Let Me Down

 4. Ballad Of John And Yoko

 

 

1970年2月にリリースされたアメリカ編集盤アルバム「ヘイ・ジュード」のUS盤

 

このアルバムについては以前にUKマザーのデンマーク盤を採り上げたが、US盤Bell Soundカッティングだ。

 

デッドワックスには"Bell Sound"と"sf"との刻印Bell Sound StudiosSam Feldmanがカッティングしたことを意味する)がある。

 

これは想定の上を行く良い音で「大当たり」だった「レット・イット・ビーUS盤と同じだ。

 

それならば「ヘイ・ジュードUS盤も期待出来るだろうと思い、中古レコ屋に寄る度にチェックしていたところ、この盤を見つけたと言う訳だ(ジャケットの傷みが激しかったため、2千円弱と格安で入手)

 

 

このアルバム、タイトルを「THE BEATLES AGAIN」として準備をしていたが、リリース直前で「HEY JUDE」に変更となったため、修正が間に合わず、US盤初期のセンターレーベルには「THE BEATLES AGAIN」と表記されている、というのは有名な話。

 

では、この盤はどうか?と言うと、センターレーベルには「THE BEATLES AGAIN」とある。ということは、初期のものと思って良いのだろう。

 

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ちなみに"Ballad Of John And Yoko"がセンターレーベルには"Ballad Of John & Yoko"と表記されている(ジャケット裏面には正しく"And"と表記されている)

 

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さて、肝心の音は?と言うと…

 

Can't Buy Me Love

I Should Have Known Better

以前にも書いたが、このアルバムの中でこの2曲は浮いている。だが音そのものに限って言えば、実に力強く活き活きした音で鳴る。

 

Paperback Writer

Rain

ポールのベースがくっきりと鳴っていて、闊達な動きがよく分かる。カッコ良いことこの上無い。リンゴの独特なドラムも最高。

 

Lady Madonna

ピアノとベースがとにかく雄弁。口を押さえてのコーラスの響きも良い。ブリブリと鳴るロニー・スコット(ジャズ・サックス奏者)のテナー・ソロもカッコ良い。

 

Revolution

ギターとドラムが爆音で鳴る(ドラムなんて、バシッ、ドドドドン、ダダン、といった感じだ)。ジョンのボーカルの勢いもすごく、説得力が増している。正にレボリューションな音。

 

Hey Jude

ポールのボーカルが素晴らしいのは勿論だが、ピアノ、ギター、ベース、ドラム、タンバリンといった各楽器がしっかりと主張していて、活き活きした音で鳴る。

 

Old Brown Shoe

これも各楽器が強く主張している。特にピアノとドラムがすごい。オレの出番だとばかりに登場するジョージのギターソロも最高。

 

Don't Let Me Down

スタジオ録音だが、1969年1月30日のルーフトップ・コンサートでの4人の姿が浮かぶ。ライブ・バンドとしてのビートルズを実感できる力強い演奏。音の圧が高く、すごい説得力。

 

Ballad Of John And Yoko

ジョンとポールの2人による演奏だが、素晴らしく鮮明な音で、演奏している2人が見えるよう。特に後半でハモっているところが最高。

 

 

全体を通して一言で言うと、ガッツのあるロックな音だ。

ギター、ベース、ピアノ、ドラムといった楽器がそれぞれ強く主張していて、実に力強く活き活きした音で鳴る。

 

Bell SoundカッティングUS盤、期待を違えぬ音で、正に「大当たり」だ。

 

UKマザーデンマーク盤も新鮮でキレが良い音だが、こちらのBell SoundカッティングUS盤も力強く活き活きした音で、甲乙付け難い。

こうなると、どちらが良いかでは無く、どちらが好きかという問題だろう。と言うか、どちらもそれぞれ素晴らしいのだから、優劣を付けることもないだろう。

 

うむ、ビートルズUS盤シリーズの最後を飾るに相応しい盤であった。

 

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ということで、全7回にわたってお送りしてきたビートルズUS盤シリーズだが、最後に手持ちのUS盤とその評価を一覧にしておこう。

  :大当たりの音

  :普通に良い音

  :どうでしょう?という音

 

    イントロデューシング・ザ・ビートルズ(モノラル)

   サムシング・ニュー(ステレオ)←但しエラー盤

   ビートルズ Ⅵ(モノラル)

   ラバー・ソウル(モノラル)

   リボルバー(ステレオ)

   マジカル・ミステリー・ツアー(モノラル)

   マジカル・ミステリー・ツアー(ステレオ

   ヘイ・ジュード(ステレオ)

   レット・イット・ビー(ステレオ)

 

 

 

さて、今回でビートルズUS盤シリーズは終了です。

合わせて、16回にわたって続けてきた「ビートルズ評議会」も一旦終了といたします。

なお再開するのは、次回B-SELSを訪問した時になります。

 

あ、「レコード評議会」は続きます。

引き続きよろしくお願いいたします。