B-SELSに行ってきた。
近鉄奈良駅のすぐ近くにある、ビートルズ専門のアナログ・レコード専門店である。
(HP:B-SELS ビーセルズ )
行く度に思うのだが、本当にスゴイ品揃えだ。
UK盤、US盤、日本盤はもちろんのこと、欧州、南米、アフリカ、東南アジアなどの様々な各国盤も並んでいるので、見ているだけでも気分が上がる。
しかも、行く度に前回は無かった盤が新たに並んでいるので、何度行っても飽きることは無い。
何より一番素晴らしいのは、大きなスピーカーで視聴した上で買うことが出来ることだ。
ご店主とあれこれ話をしながら一緒に聴くのも楽しい時間だ。
ということで「レコード評議会」は、今回から4回にわたって「B-SELSで買ったレコード」シリーズとなります。
このため、ザ・フーのシングル盤シリーズは一旦中断となりますので、悪しからずご了承ください。
とは言いつつ、折角なので前回の記事からの繋がりも意識してみた。
(前回の記事:The Seeker / The Who【UK盤】)
と言うか、前回記事を書く中、レコードで聴きたいと思っていたところに、B-SELSに並んでいたために手を伸ばしてしまったのがこれ。
Plastic Ono Band
Give Peace A Chance
デンマーク盤(1969年)
Apple Records
Apple 13 R 5795
SideA:Apple 13 A-1 KT
SideB:Apple 13 B-1 KT
A. Give Peace A Chance
B. Remember Love
ジョン・レノンがプラスティック・オノ・バンド名義でリリースしたシングル"平和を我等に"。
そのUKマザーのデンマーク盤。
ビートルズ解散前にソロとしてリリースされたもので、ベトナム戦争に対する反戦歌、平和のメッセージソング。
"平和を我等に"が録音されたのは、1969年5月26日から6月1日にかけてモントリオールのクイーン・エリザベス・ホテルで行われた第2回目の「ベッド・イン」の最終日。
レコードにも以下の様に記載されている。
モントリオール(カナダ、ケベック州)では公用語がフランス語であるためか、場所の表記がフランス語になっている。
録音風景は以下の通り。
で、 中央の人物はティモシー・リアリー。
ティモシー・リアリーについては、前回の記事に詳しく書いたが、簡単に説明するとこんな人物だ。
▷ ハーバード大学で心理学の教授を務め、真面目に幻覚剤の研究をしていた人物。 「ドラッグの教祖」とも呼ばれており、サイケデリック・ムーブメントやカウンターカルチャーに大きな影響を与えた。
そんな ティモシー・リアリーだが、ジョン・レノンとの関わりも深い。
▷ 1969年、ジョンとヨーコの「ベッド・イン」イベントおよび"平和を我等に"の録音に参加。
▷ 同年、カリフォルニア知事選に出馬表明(後にマリファナ所持により逮捕、選挙活動を断念)。レーガン(当時の州知事)を更迭するべく「Come Together - join the party」というスローガンを打ち出し、ジョンにキャンペーン・ソングの制作を依頼。ジョンは このスローガンのフレーズを使って"Come Together"を作曲。
といったことは前回記事にも書いた通りだが、そんなあれこれを書く中、どうにもこの曲 "平和を我等に"を聴きたくなっていたところにタイミング良くB-SELSの店頭に並んでいた、という訳だ。
「さすがB-SELS」と思いながら手を伸ばし、視聴させていただいた。
私「これ視聴させていただいて良いですか?A面だけで結構です」
ご店主「どうぞどうぞ、聴いてください。これはUKマザーのデンマークプレスですね」
私「実はこの曲をシングル盤で聴くのは初めてなんですよ」
おぉ、臨場感があって良い音だ。手を鳴らしながら歌っている大勢の人がいるのがよく分かる。
と、曲が進み、あっ?!と気が付いた。
後半に All we are saying is give peace a chance とのコーラスが繰り返される中、ジョンがアドリブで歌っているところで、こんなフレーズが!
Come Together, Come Together, All Together
あぁそうか! この Come Together は ティモシー・リアリーがその場にいたから出てきたフレーズなのか!
そうか、そういうことだったのか…
ということで、 前回の記事からティモシー・リアリーをキーワードに今回に繋げてみつもりだが、いかがでしょう?
(前回の記事:The Seeker / The Who【UK盤】)
と、A面を聴き終わり、曲良し、音良し、ネタも良し(?)ということで、購入決定。
私「ありがとうございました。これは買います」
と満足して、他のレコードを掘り始めると、アコースティック・ギターのアルペジオに乗って、女性ボーカルが聴こえてきた。
私「あれ?これってB面ですか?」
ご店主がB面をかけてくださっていた。
ヨーコが歌う"Remember Love(ヨーコの心)"だ。
ん?結構良い曲じゃないか?
私「初めて聴いたんですけど、良いじゃないですか」
ご店主「ジョンがギターを弾いているんですよ」
私「あれ?このギターのフレーズ、どこかで聴いたことありますよ。"Julia"でしたっけ?」
ご店主「"Sun King"ですね。インドでジョンがドノヴァンから教えてもらったスリー・フィンガーです」
私「あぁ、ホントですね。これは思わぬ収穫です。ますます買いです」
と言うか、こういった会話がホント楽しい。
B-SELSはやっぱりビートルズ・ファンにとってのテーマパーク、ワンダーランド、パラダイスだ。
ということで、今回のB-SELS参りは幸先の良いスタートを切ったのでありました。
次回に続きます…
(おまけ情報)
"平和を我等に"はジョンとヨーコの共作だが、作曲者のクレジットは「Lennon-McCartney」となっている。
どんな時でも2人名義にするという15歳からのポールとの取り決めに従っている訳だが、ソロとしてのリリースである曲で何故ジョンはその様にしたのか?
ビートルズからの脱退を考えていたことへの後めたさとも、急いで発表したかった"ジョンとヨーコのバラード" の制作に協力(ジョンとポールの2人だけで録音)してくれたポールへの感謝とも言われている。
(追記)
B-SELSの日記にご紹介いただきました。
ありがとうございます。
B-SELS ビーセルズ | 日記 | 『A COLLECTION OF BEATLES OLDIES』 ウルトラ・レア!インド・モノラル 最高峰スタンパー-G/-R 素晴らしい音!!!!!!!!!
(追記 その2)
この日の様子がB-SELSの日記で紹介されている。
ほんと楽しい時間でした。
ありがとうございます。
B-SELS ビーセルズ | 日記 | 『THE BEATLES' SECOND ALBUM』 ウルトラ・レア!「マッカーシー」!!UKエクスポート最初期エラー表記!!!!!!