前回から「B-SELSで買ったレコード」シリーズに突入している。
ということで、今回の「レコード評議会」はこの盤。
The Beatles
The Beatles(White Album)
イタリア盤(1968年)ステレオ
Apple Records
PCS 7067
No. 0031347
Side1:YEX-709-T2 - 14-11-68
Side2:YEX-710-T2 - 14-11-68
Side3:YEX-711-T2 - 14-11-68
Side4:YEX-712-T2 - 14-11-68
「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」のイタリア盤。
英国や米国では1968年頃にチューブカッティングからトランジスタカッティングに切り替わったが、「アナログ・ミステリー・ツアー(湯浅学著)」によると「ホワイト・アルバム」はそのどちらか不明とされている。
だが、UK盤(←B-SELS初訪問時に購入したUKモノラル盤)は音の響きからトランジスタカッティングに思える。
・トランジスタ:クール、明晰、キリッとした音、すっきりした音像
・チューブ(真空管):暖かい、柔らかい、倍音豊かな音、ふわっとした空気感
一方でイタリア盤と言えば、以前に「アビイ・ロード」で検証した通り、おそらくチューブカッティングだ。
本当にチューブカッティングかどうかはさて置いても、イタリア盤の響きに「暖かい、柔らかい、倍音豊かな音、ふわっとした空気感」を感じるのは事実。
ということで、大いに興味を惹かれて視聴させていただくことにした。
私「これ、視聴いいですか?」
ご店主「あ、このイタリア盤ですね。どうぞどうぞ聴いてください」
私「そう言えば、アビイ・ロードのイタリア盤を持っているんですけど、"I Want You"はフェードアウトしてしまうんですよね。吃驚ですよ」
ご店主「そうそう」
私「そんなアビイ・ロードのイタリア盤なんですけど、何とも音の響きが好きなんですよね。このホワイト・アルバムはどうなんでしょう?」
ご店主「まあ是非聴いてみてください。…このイタリア盤も面白いですよ」
ん? 面白い?
心なしか、ご店主がニヤリと笑ったような気が…
と思いつつ、A面1曲目より聴き進むと、期待通りの音にやっぱりイタリア盤だ、と。
柔らかい響きのオーバードライブが掛かったギター、ふわっと拡がるコーラスや弦楽器、倍音豊かな管楽器。
聴き疲れのしない、柔らかな空気感がある。
エッジの効いたロックな音とは違うが、これはこれで素晴らしい響きだ。
やっぱりチューブカッティングだよ、 イタリア盤は。
私「やっぱりイタリア盤は響きが独特で面白いです。好きですね、この響きは」
と、A面を聴き終わる最後でことは起こった。
"Happiness Is a Warm Gun"の最後、is a warm gun yeah とのコーラスの後、最後の最後…
私「ん?あれ?!ええっ」
締めのドラム="トトン"と鳴るタムの音が無い?!
私「最後のドラム、無いですよね?」
ご店主「そうなんですよ」
ニヤリと笑いながら、ご店主はもう一度最後の部分に針を下ろす。やっぱり締めのドラム"トトン"が無い!
私「吃驚ですよ。アビイ・ロードだけで無く、ホワイト・アルバムもこれしちゃうんですね、イタリア盤は」
ご店主「最後のドラムを待っていたらスカッと音がなくなっちゃうので、カクッとしちゃいますよね(前につんのめる仕草)」
ご店主の「このイタリア盤も面白いですよ」って、このことだったか〜
私「いや〜吃驚。これは面白いです。これ買います!」
ご店主の書かれたポップには、 マトリックス・ナンバー、ナンバリング3万番台、初回ドイツ製ジャケット、ポスター無し、見た目の盤質、聴いた上での実際の音質などなど、詳しく書いてある。
但し、締めのドラムが無いことは書かれていない。
あえてご店主は書かなかったのだろう。
お客さんが視聴する時にそれを明かして、吃驚させようとしたのだろう。
で、それに見事にハマってしまった私なのであった。
いやはや、これは超楽しい!
ご店主、楽しい時間をありがとうございました!
ということで 「B-SELSで買ったレコード」シリーズはまだ続きます。
(追記)
家のシステムで聴いても、イタリア盤の響きはやっぱり良い。
ベースは跳ねる様に鳴るし、ギターも気持ち良い響きだし、特にコーラス、弦楽器、管楽器の空気感が素晴らしい。
それに、何となく明るい感じの響きなのだ(イタリアという印象から、明るい感じに脳内変換されているのかも知れないが)。
色々な音や響きで楽しむビートルズ、これはやめられない…
(追記)
B-SELSの日記にご紹介いただきました。
ありがとうございます。
B-SELS ビーセルズ | 日記 | 『PLEASE PLEASE ME』 貴重!UKモノラル・サード+初回ジャケ 音良し!!!!!
(追記 その2)
この日の様子がB-SELSの日記で紹介されている。
ほんと楽しい時間でした。
ありがとうございます。
B-SELS ビーセルズ | 日記 | 『THE BEATLES' SECOND ALBUM』 ウルトラ・レア!「マッカーシー」!!UKエクスポート最初期エラー表記!!!!!!