2024年5月12日、デビッド・サンボーンがニューヨーク州タリータウンで亡くなった。享年78歳。
一世を風靡したジャズ・フュージョン界のアルト・サックス奏者で、彼の奏でる音は一聴して彼のものと分かるオリジナリティのあるものだった。
R&Bに影響を受けたファンキーなプレイ、またメロウなプレイは、「サンボーン節」「泣きのサンボーン」などと言われていた。
20枚以上に及ぶリーダーアルバムの他、彼のプレイはロック・ポップス系を含め様々なミュージシャン達のアルバムでも聴くことができる。
例を挙げると、ブレッカー・ブラザーズ、マイク・マイニエリ、ジャコ・パストリアス、ボブ・ジェームス、ジョージ・ベンソン、アル・ジャロウ、マンハッタン・トランスファー、マイケル・フランクス、ジェームス・テイラー、カーリー・サイモン、ポール・サイモン、リンダ・ロンシュタット、ケニー・ロギンス、スティービー・ワンダー、ポール・バターフィールド、トミー・ボーリン、トッド・ラングレン、デビッド・ボウイ、リトル・フィート、ビリー・ジョエル、ローリング・ストーンズ…
例えばこんな曲で印象的なプレイをしている(選曲は個人的好み)。
ブレッカー・ブラザーズ "Rocks"(1stアルバム収録)
マイケル・フランクス "Antonio's Song"
デヴィッド・ボウイ "Young Americans"
ジェームス・テイラー "How Sweet It Is (To Be Loved by You)"
リトル・フィート "Gringo"(編集盤「Hoy-Hoy!」収録)
ということで、今回「レコード評議会」は追悼の意を込めてこれを採り上げる。
Hideaway
US盤(1980年)
BSK 3379 RE-1
Side1:BSK-1-3379-RE1-LWI 2 STERLING RBMC
Side2:BSK-2-3379-RE1-LWI 1 RBMC STERLING
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A1. Hideaway
A2. Carly's Song
A3. Anything You Want
B1. Lisa
B2. If You Would Be Mine
B3. Creeper
B4. Again An Again
ビルボードのジャズ・チャート2位、R&Bチャート33位とヒットしたアルバム「ハイダウェイ」。
私が持っている盤は1stバージョンなのだが、2ndバージョンではA4として映画「アメリカン・ジゴロ」の挿入曲である"The Seduction (Love Theme)"が収録されているという(このためA3が短く編集されている)。
そのようなこともあってか、ジャズ・フュージョンとしてはかなりヒットしたアルバムだ。
内容は、メロウなプレイ「サンボーン節」「泣きのサンボーン」が堪能できるアルバムで、バックメンバーのプレイを含めてよく出来たフュージョン・アルバムだと思う。
ドラム:スティーヴ・ガッド、リック・マロッタ
ベース:ニール・ジェイソン、マーカス・ミラー
ギター:デヴィッド・スピノザ、ハイラム・ブロック
キーボード:ドン・グロルニック、ロブ・マウンジー
ヴィブラフォン:マイク・マイニエリ
パーカッション:ラルフ・マクドナルド
一流ミュージシャンによる一流のプレイが堪能出来る。
以前に採り上げたシリアスな印象の 「アナザー・ハンド」も良いが、やっぱりデビッドと言えばこのアルバム「ハイダウェイ」が真っ先に浮かぶ。
デビッドのアルバムはジャズ・フュージョンに目覚めた20歳代の頃、CDでよく聴いていたのだが、中でもこのアルバム「ハイダウェイ」が一番好きだった。
そして10数年前に改めてレコードを聴くようになってから、レコードでも聴きたくなり、手に入れたのが今ここにある盤。
これが良い音で鳴る。
改めて良いアルバムだと思った。
このアルバムを聴くと、 20歳代の頃を思い出したりする。
これからも時折取り出して聴くことだろう。