XTCを続けます。
ということで、今回の「レコード評議会」も「ザ・ビッグ・エキスプレス」からシングルカット。
Wake Up
UK盤(1985年)
Virgin
VS746-12
Side1:VS 746 12 A-1U-1-1 ••
Side2:VS 746 12 B-2U-1-1 •• 1
A1. Wake Up
A2. Take This Town
A3. Mantis On Parole - Homo Safari Series No.4
B1. Making Plans For Nigel
B2. Sgt. Rock (Is Going To Help Me)
B3. Senses Working Overtime
"Wake Up"の12インチシングル。
「ザ・ビッグ・エキスプレス」のリリース日が1984年10月14日なのに対して、シングルは翌年1985年1月28日のリリース。
7インチは"Wake Up"、"Take This Town"、"Mantis On Parole"の3曲だが、この12インチは全6曲で、12インチシングルと言うよりもミニアルバムみたいなものだ。
しかも追加の3曲は過去の人気曲で、なかなかポイントが高い。
従来同様、勝手な印象を含めて、各曲を紹介しよう。
A:アンディ・パートリッジ作曲
C:コリン・モールディング作曲
⭐️の数:個人的に好きな度合い(最高で⭐️5つ)
A1. Wake Up (C)⭐️⭐️⭐️
45回転の音の良さに免じて、⭐️⭐️ から⭐️⭐️⭐️にアップしておく。
UKチャート92位というのは、売れ行きとしては微妙なところか…
エッジの効いたギターリフが印象的な曲。
リン・ドラムによる打ち込み系のサウンドは、やっぱりXTCには似合わないな、と。
A2. Take This Town (A)⭐️⭐️
1980年の映画「タイムズ・スクエア:Times Square」の収録曲で、サントラとシングルのみでリリースされていた曲。
1980年と言えば「Drums and Wires (1979)」「Black Sea (1980)」の頃なので、曲調も音作りもその頃のそれ。
なお、映画のサントラにはパンクやニューウェーブ系の曲が並んでいて興味深い。
Times Square (1980 film) - Wikipedia
A3. Mantis On Parole - Homo Safari Series No.4 (A)⭐️⭐️⭐️
デモ音源。
ドラム、ベース、ギター、ヴァイオリンによるインストで、予備知識無しで聞いたらXTCとは全く分からない。
デモ音源とは言え、フリージャズっぽいセッションなので、これはこれで完成している。
フリージャズのフェイクなのだろうが、なかなか悪く無い。
B面は過去の人気曲が3曲並んでいる。
ここでは逐一説明しないが、XTC最盛期、黄金期の曲であり、曲もサウンドメイクも文句無し。
B1. Making Plans For Nigel (C)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
アルバム「Drums and Wires (1979)」収録曲(シングルカット曲)。
B2. Sgt. Rock (Is Going To Help Me) (A)⭐️⭐️⭐️⭐️
アルバム「Black Sea (1980)」収録曲(シングルカット曲)。
B3. Senses Working Overtime (A)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
アルバム「English Settlement (1982)」収録曲(シングルカット曲)。
ということで、この12インチシングルと言うか、ミニアルバムはなかなかのお買い得品と言って良い。
やや低迷しているXTCに対して、過去の人気曲を再リリースすることで、Virgin(ヴァージン・レコード)が積極的にプロモーションしている様子が伺える。
この売上を伸ばそうとするVirginの姿勢が、次作「スカイラーキング」のプロデューサーにトッド・ラングレンを招くことになる訳だ。
売れなければビジネスにはならない訳で、音楽業界も大変だな…