レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

English Settlement / XTC【UK盤】

まだまだXTC

 

前回は"隠れ名盤"「ママー」を採り上げた訳だが、"隠れ"では無く、これぞ"名盤"と呼べるものも存在する。

 

ということで、今回の「レコード評議会」はこれ。

 

 

XTC

English Settlement

UK盤(1982年)

Virgin

V2223

Side1:V-2223-A1  TOWNHOUSE  *  <

Side2:V2223 B2  ( ]  -I-  TOWNHOUSE  D 

Side3:V2223 C2  [ )  C  TOWNHOUSE

Side4:V2223 D2 WADDIES 6X RULES Hic!  [: : ) < TOWNHOUSE


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Side1

 1. Runaways

 2. Ball And Chain

 3. Senses Working Overtime

 4. Jason And The Argonauts

Side2

 1. No Thugs In Our House

 2. Yacht Dance

 3. All Of A Sudden (It's Too Late)

Side3

 1. Melt The Guns

 2. Leisure

 3. It's Nearly Africa

 4. Knuckle Down

Side4

 1. Fly On The Wall

 2. Down In The Cockpit

 3. English Roundabout

 4. Snowman

 

 

2枚組のアルバム「イングリッシュ・セトルメント」(5枚目のアルバム)。

 

 

例のごとく、このアルバム「イングリッシュ・セトルメント」についてChatGPTに訊いてみた。

 

「イングリッシュ・セトルメント」は、イギリスのロックバンドXTCによる5枚目のスタジオアルバムで、1982年2月12日にリリースされました。このアルバムは、バンドの音楽スタイルが大きく進化し、より複雑で多層的なサウンドに移行したことを示しています。以下はアルバムについての詳細な情報です。

 

1. 背景

① レコーディング場所

オックスフォードシャーのThe Manor Studioで1981年に録音されました。

② プロデューサー

XTC自身とヒュー・パジャム

③ ジャンル

ニュー・ウェイヴ、ポスト・パンク、アート・ロック。

 

2. アルバムの特徴

① 音楽スタイルの変化

以前のアルバムに比べてアコースティック楽器やパーカッションの使用が増え、サウンドが豊かになりました。

② テーマと歌詞

アルバムの歌詞は社会的、政治的なテーマを扱っており、特にイギリス文化や歴史に関する内容が多いです。

③ アルバムカバー

表紙には、アフィントン・ホワイト・ホースという古代の白馬の地上絵が描かれています。

 

3. 代表曲

① Senses Working Overtime

この曲はシングルとしてリリースされ、バンドの最大のヒット曲の一つとなりました。複雑なリズムパターンとキャッチーなメロディが特徴です。

② Ball and Chain

イギリスの都市計画とそれに伴う社会的な問題をテーマにした曲です。

③ No Thugs in Our House

若者の犯罪行為に対する社会の態度を批判的に描いた曲です。

 

4. リリースと評価

① リリース形式

初回リリースは2枚組のLPとしてリリースされましたが、後にCDフォーマットで1枚にまとめられました。

② 評価

発売当初は商業的に大きな成功を収め、批評家からも高い評価を受けました。特にその実験的なアプローチと創造的な音楽性が評価されました。

 

「イングリッシュ・セトルメント」は、XTCディスコグラフィーにおいて重要な位置を占めるアルバムであり、その後のバンドの音楽的進化を示す重要な作品です。

 

 

ついでにジャケットの絵「アフィントン・ホワイト・ホースUffington White Horseアフィントンの白馬」についてもChatGPTに訊いてみた。

 

アフィントン・ホワイト・ホースは、イギリスのオックスフォードシャー州にある先史時代の地上絵(hill figure)です。この地上絵は、白亜の丘の斜面に刻まれており、馬の形をしています。

 

1. 特徴

① 場所

アフィントン・ホワイト・ホースはオックスフォードシャー州のアフィントン近郊の丘の斜面に位置しています。

② サイズ

全長は約110メートルで、非常に大きな地上絵です。

③ 年代

紀元前1000年から紀元前700年頃に作られたとされており、鉄器時代にさかのぼると考えられています。

④ 素材

地上絵は、丘の斜面を削って白亜を露出させることで作られています。

 

2. 歴史と意義

アフィントン・ホワイト・ホースの正確な目的や意味については多くの議論があります。一説には、宗教的な儀式や部族のシンボルとして使われた可能性があるとされています。また、地上絵のスタイルや技術はケルト文化の影響を受けているとも考えられています。

 

アフィントン・ホワイト・ホースは、イギリスの文化遺産の一部であり、観光名所としても知られています。

 

アフィントン・ホワイト・ホースUffington White Horse

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草原を模した濃緑色のエンボス紙にアフィントン・ホワイト・ホースをあしらったこのジャケット、英国感が溢れており、素晴らしいの一言。

"名ジャケット"と言って良いだろう。

 

 

アフィントンXTCの出身地スウィンドンとは約20kmと近い。

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なお、初版は「XTC English Settlement」の部分が塗られておらず、「The Beatles(ホワイト・アルバム)」の様に文字がエンボス加工で浮き出ている。


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一方、第2版は「XTC English Settlement」の部分が白く塗られている(私が持っている盤)

誰のアルバムなのか分かりにくいということで、白く塗られたのだろう。


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但し、初版第2版マトリックスは同じだ。

 

 

さて、では肝心の内容はどうか?

 

いつも通り各曲を紹介しよう。

   A:アンディ・パートリッジ作曲

   C:コリン・モールディング作曲

  ⭐️の数:個人的に好きな度合い(最高で⭐️5つ)

 

 

Side1

1. Runaways (C)⭐️⭐️⭐️⭐️

アコースティックな音作りが、このアルバム全体の印象にも繋がっている。

曇った空の様な感じの曲調だが、それが英国感を醸し出しているのも良い。

 

2. Ball And Chain (C)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

1曲目2曲目とコリンの曲が続くのも珍しい。

アルバムリリース直後の1982年2月26日にシングルリリースされている。UKチャート58位。

ノリの良いギターポップ

前作「ブラック・シー」収録の"General And Major"と同タイプの曲。

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3. Senses Working Overtime (A)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

アルバムのリリースに先立って1982年1月8日にシングルリリースされている。UKチャート10位。

アコギ、12弦ギター、ベース、ドラムという編成のアコースティックな音作り。

様々な展開を見せるが、メロディが良く、流れも自然なので、複雑な感じは全くしない。

メロディ、曲展開、アレンジ、どれも素晴らしく、名曲中の名曲。XTCの中で一番好きな曲。

なお、マンフレッド・マンの"5-4-3-2-1" (1964)を参考に作ったとアンディは言っているらしいが、別に似ていない。

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4. Jason And The Argonauts (A)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

変わったメロディ、変わった曲展開ではあるが、ハマるとクセになる。

ひねくれポップの進化系(シリアスなアレンジにしてみたら、プログレになるのでは?)

1963年の映画「Jason And The Argonautsアルゴ探検隊の大冒険」にインスパイアされたのだとか。

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Side2

1. No Thugs In Our House (A)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

アルバムリリースから3ヶ月後の1982年5月14日にシングルリリースされている。

米国ツアー中の4月4日にアンディが神経衰弱で倒れ、以降ツアーをキャンセルすることになるが、そんな事態の後にシングルカットされたもの。

正にポップ・ロックと言った感じの曲。

エディ・コクランの"Summertime Blues"をベースに作った曲なのだとか。

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2. Yacht Dance (A)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

ワルツのリズムにアコースティックな音。

クラシック・ギターとフレットレス・ベースの響きが素晴らしい。

目立つ曲では無いのだが、聴くほどに趣味の良さを感じさせる佳作と言うか、隠れ名曲。

 

3. All Of A Sudden (It's Too Late) (A)⭐️⭐️⭐️⭐️

失恋、人生への絶望、人類滅亡の危機、何とでも取れる歌。

変わった音使いのメロディだが、良い曲だなと感じさせる(←こういうところもビートルズっぽい)

名曲と言っても差し支えない。

 

Side3

1. Melt The Guns (A)⭐️⭐️⭐️

銃を溶かせと連呼する、銃社会に対する批判の曲。

何とも変な曲調で、メッセージ・ソングのはずがそうは聞こえない。

 

2. Leisure (A)⭐️⭐️⭐️

レジャー(余暇)についての曲。

これも変な曲調で、ふざけているような曲。

 

3. It's Nearly Africa (A)⭐️⭐️⭐️⭐️

アフロ・ビートが気持ち良く、リズムだけで聴かせてしまう。

こういう曲が作れるのもアンディの才能。

 

4. Knuckle Down (A)⭐️⭐️⭐️⭐️

シャッフル・ビートが気持ち良い。

ささっと作った曲っぽいが、何となくビートルズを思い起こさせるメロディで楽しい曲。

 

Side4

1. Fly On The Wall (C)⭐️⭐️⭐️

壁にとまっている蝿とは何?と思ったら、こっそり他人を観察している人、の言い回しなんだとか。

 

2. Down In The Cockpit (A)⭐️⭐️⭐️

ひたすらノリの良いコミック・ソングっぽい曲調。

 

3. English Roundabout (C)⭐️⭐️⭐️⭐️

Roundaboutとは環状交差点のこと。

グルグル回るばかりで出口が無い状態(そこから抜け出したいのに抜け出せない)の歌。


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4. Snowman (A)⭐️⭐️⭐️

これも変わった曲調で、おまじないの様なセリフを唱えて、彼の娘は何故ボクを雪だるまのように扱うの?と嘆く歌。

 

 

以上、全15曲の集計結果は以下の通り。

 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️:5曲

 ⭐️⭐️⭐️⭐️:5曲

 ⭐️⭐️⭐️:5曲

 

さすが"名盤"と言われるだけのことはあって、良い曲が並んでいる。特にSide1と2は最強だ。

 

 

XTCの"最高傑作"はどのアルバムか?というと、必ず候補に挙がるのが「スカイラーキング」「イングリッシュ・セトルメント」「ブラック・シー」の3枚。

 

それぞれアルバムのカラーが違うので、その人の好みによって「やっぱりスカイラーキングでしょ」と言う人もいれば「絶対にブラック・シーだろ」と言う人もいる。

 

だが、私としては「イングリッシュ・セトルメント」を推したい。

 

 

アコースティック・ギターやフレットレス・ベースが多用されており、アルバム全体としてアコースティックな響きがする。英国フォークのエッセンスも感じられる。

 

また、ドラムやパーカッションによる多彩なリズムもアルバムに躍動感を与えている。

 

2枚組15曲とボリュームがあるアルバムながら、通しで聴いても飽きることが無い。

これぞ"名盤"と言うべき内容だ。

 

アフィントン・ホワイト・ホースをあしらったジャケットも英国感が溢れており、素晴らしい。

これは"名ジャケット"と言って良いだろう。

 

 

ということで、誰がどう言おうと「イングリッシュ・セトルメント」がXTCの"最高傑作"だと思う。

 

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ところで「イングリッシュ・セトルメント」は英国では2枚組15曲なのだが、英国以外では1枚10曲でリリースされている。

英国以外では2枚組はセールス的に不利と判断されたのだろう。

 

それでは1枚10曲バージョンはどんなものなのだろう?

 

それはまた別の機会に…

 

 

 

 

(追記)

アルバム収録曲が英国とそれ以外で違っているところもビートルズっぽいな、と。

 

で、ビートルズと言えばB-SELSなのだが、2024年6月30日の日記で「レコード評議会」の以下の記事が紹介されました。

 

 

何と、この記事がきっかけで興味を持たれて、ビートルズのこのVee Jay盤B-SELSで購入された方がいらっしゃると。嬉しいことです。

 

あゝ、またB-SELSに行きたい…