前回からスタートした「ビートルズ フランス盤EP特集」。
その第2回ということで、今回の「レコード評議会」はこれ。
Paperback Writer(7" EP)
フランス盤(1966年)モノラル
Odeon
Pathé Marconi (Les Industries Musicales Et Electriques Pathé Marconi)
MEO 119
7TOP 1035 21 M3 2481 57
Ⅱ 7TOP 1036 21 M3 2481 58
Face1
1. Paperback Writer
2. The Word
Face2
1. Rain
2. Nowhere Man
この盤のピクチャースリーヴも、フリップバックカバー、フィルム・コーティングとなっており、EP1枚にかなり手間をかけている。
大きさは同じ7インチではあるものの、シングルは2曲収録(片面1曲ずつ)なのに対して、EPは4曲収録(片面2曲ずつ)ということで、当時はミニアルバム的なイメージだったのだろう。
値段も高くして売り出しているのだろうから、装丁もそれ相応にする必要がある、と言うことか…(UK盤のEPの装丁もそうだし…)
選曲は、"Paperback Writer"と"Rain"がシングルのA面/B面。
"The Word"と"Nowhere Man"はアルバム「ラバー・ソウル」の収録曲だ。
"Paperback Writer"と"Rain"はアルバム未収録だが「リボルバー」のセッションで録音された曲なので、「ラバー・ソウル」収録曲とのカップリングというのは、何だか違う感が漂っている。
本来なら「リボルバー」収録曲とカップリングされるべきで、個人的には"And Your Bird Can Sing"と"Here, There and Everywhere"だったら、かなり良い感じだと思う。
だが、このEPのリリースは、Discogsによるとシングル"Paperback Writer / Rain"と同じ1966年6月。アルバム「リボルバー」は8月リリースであるため、その時点では存在していない。
ということで、EPを制作するには一つ前のアルバム「ラバー・ソウル」からカップリング曲を選ぶしかなかったという訳だ。
まぁ、こういうのは嫌いでは無い。と言うか、何だか違う感はむしろ好きだ。
音の方はと言うと、モノラル。
アルバム「オールディーズ」フランス盤が偽モノだったため、もしや…と思ってしまうが…
"Paperback Writer"の中間部分、深いエコーが掛かっているので、間違い無い。ちゃんとモノラルミックスが収録されている。
結構かっちりした硬質な響きで、パンチのある音だ。
"Paperback Writer"と"Rain"のオーバードライブの掛かったギターがなかなか映える。
ベースの音もしっかりしていて、動きがよく分かる。
"Nowhere Man"のトレブルを増幅したギターにも似合っている。
但し、ボーカルのコーラスには硬い響きは似合わないかな、と思う。
ところで「ラバー・ソウル」の2曲にはこんな邦題が付いている。
"The Word"「愛の言葉」
"Nowhere Man"「ひとりぼっちのあいつ」
昭和歌謡? GS(グループ・サウンズ)? といった昭和感満載の邦題だが、1966年は昭和41年なのだから当然か。
ついでに他2曲にも邦題を付けてみたところ、やっぱり昭和感満載になってしまった。と言うか、邦題なるものが昭和的なのか?
"Paperback Writer"「大衆作家」「小説家志望」
"Rain"「雨」「降っても晴れても」
以上「ビートルズ フランス盤EP特集 その2」でした。
続く