「ビートルズ フランス盤EP特集」の第5回。
ということで、今回の「レコード評議会」はこれ。
Les Beatles
I Feel Fine(7" EP)
フランス盤(1965年)モノラル
Odeon
SOE 3760
7ARE 2113 21 M3 238329
Ⅱ 7ARE 2114 21 M3 238330
SideA
1. I Feel Fine
2. Any Time At All
SideB
1. She's A Woman
2. I'll Be Back
この盤のピクチャースリーヴも、フリップバックカバー、フィルム・コーティング。
と、ここで気が付かれた方もいると思うが、The Beatlesではなく、Les Beatlesとフランス語の定冠詞 Les が付いている。
また、Beatlesの B の上にツノが付いている。カブトムシのツノを表しているのだろう。(カタツムリの目みたいではあるが…)
そして、メンバー4人のところに、それぞれの頭文字がカブトムシのシルエットの中に書かれている。(カブトムシなのだろうが、変な虫にしか見えない…)
選曲は、"I Feel Fine"と"She's A Woman"がシングルのA面/B面。
"Any Time At AlI"と"I'll Be Back"はアルバム「ハード・デイズ・ナイト(旧邦題:ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)」B面の収録曲。
"I Feel Fine"と"She's A Woman"は、「ビートルズ・フォー・セール」のセッションで録音された曲なのだが、カップリングは同アルバム収録曲ではなく、一つ前の「ハード・デイズ・ナイト」の収録曲。よくあるパターンだ。
なお「ハード・デイズ・ナイト:A Hard Day's Night」は、フランスでは「Chansons Du Film "4 Garçons Dans Le Vent"」というタイトルでリリースされている(曲はUK盤と変わらない)。
英語にそのまま置き換えると「Songs Of Film "4 Boys In The Wind"」。直訳すると「風の中の4人」となるが、dans le vent は à la mode といった意味でも使われるようで、「サウンドトラック盤 "流行の4人"」といった感じなのだろう。時代を感じさせるタイトルではある。
また「ビートルズ・フォー・セール:Beatles For Sale」は、フランスでは「Les Beatles 1965」というタイトルでリリースされている(曲はUK盤と変わらない)。
英国では1964年12月にリリースされ、クリスマス商戦向けもあって「For Sale」としている訳だが、フランスでは年明けの1965年1月にリリースされている。クリスマスの時期でも無いのに「For Sale」はそぐわないとして「1965」にしたのだろう。
音の方は、他のEPと同様、モノラル。
音質はその3と4のEPと同様、鮮度が高く、解像度も高い。そして響きが自然で、素晴らしく良い音がする。
どの曲も音の立ち上がりが良いので、スピード感がある。
おっ、と思ったのは、"I Feel Fine"の冒頭。ギターのフィードバック音がウニョ〜と鳴るところなど、空気が震えるようだ。
この頃のフランス独自カッティングは、本当良い音がする。
優秀なエンジニアがいたのだろうか?
大いに見直しました、フランス盤。
フランス盤の「アビイ・ロード」では"Come Together"の冒頭のシュッ(Shoot me)が無いという、いい加減なカッティングで有名(?)なのだが、エンジニアが変わってしまったのだろうか…
以上「ビートルズ フランス盤EP特集 その5」でした。
続く