レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

Heavy Metal Be-Bop / The Brecker Brothers【US盤】

前2回に亘ってブレッカー・ブラザーズカット盤を採り上げてきた。

 

で、前回の予告通り、今回もカット盤を採り上げる訳だが、何にしよう?

と、色々と考えたが、この流れでこのアルバムを外すのも何だな…と思い、安直ではあるが、今回の「レコード評議会」はこれにした。

 

 

The Brecker Brothers

Heavy Metal Be-Bop

US盤(1978年)

Arista

AL 4185

Side1:15 AB-4185-A-RE2-1C TVI MASTERDISK DC A5

Side2:15 AB-4185-B-1B B2 MASTERDISK DC


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Side1

  1. East River *

  2. Inside Out

  3. Some Skunk Funk

Side2

  1. Sponge

  2. Funky Sea, Funky Dew

  3. Squids

 

Randy Brecker:Trumpet

Michael Brecker:Tenor Saxophone

Barry Finnerty:Guitar

Neil Jason:Bass, Lead Vocals(*)

Terry Bozzio:Drums

and additional musicians

 

 

ブレッカー・ブラザーズ、絶頂期のライブ・アルバム「ヘヴィ・メタル・ビ・バップ」。

ちなみに日本初盤のレコードの帯(オビ)には「ヘビー・メタル・ビイ・バップ」とある(ビイ・バップ?)。

 

ビルボードのジャズ・アルバム・チャートでは14位にまでなったヒット・アルバムだ。

 

1曲目"East River"は、スタジオ録音。

その他5曲は、My Father's Placeニューヨーク州ロングアイランドナッソー郡ロスリンのライブ会場)でのライブ録音。

 

収録曲を順に紹介すると…

"East River"

シングル・カットされ、英国ではシングル・チャート34位のヒット。

ベースのニール・ジェイソンによるデカい声でファンキーならOKといった感じのボーカル入りの曲。マイケルのテナー・サックスもファンキーだ。

 East River la di da

 Died and went to heaven ha ha ha

 Dancing with the angels cha cha cha

 Singing with the devil ooh la la

 East River la di da

ちなみにイーストリバーは、マンハッタン島とロングアイランド島の間の川(厳密には海峡)

 

"Inside Out"

既存のスタジオ・アルバムに収録は無く、本ライブ・アルバムで初お目見えの曲。1992年再結成後も演奏されている、ライブ映えする曲だ。

ランディマイケルバリー・フィナティの順にソロが回される。エフェクターで歪ませたトランペットとテナー・サックス、ディストーションを掛けたギターによるハイボルテージな演奏。ニール・ジェイソンのブリブリと鳴るベース、手数王や千手観音といった異名をとるテリー・ボジオのパワフルなドラムも聴きどころ。

このアルバム中、イチオシ。

 

"Some Skunk Funk"

セルフ・タイトルのファースト・アルバム1曲目に収録されているブレッカー兄弟の代名詞とも言える曲。

スタジオ・バージョン比べて、このライブはかなりのハイテンポ(感覚的には1.5倍速)

マイケルランディの順にソロが回される。ワウワウやコーラスといったエフェクターが掛かったランディのトランペット・ソロがこのライブ・バージョンならでは。

 

"Sponge"

ファースト・アルバム収録曲。

繰り返されるテーマに乗って、ランディマイケルバリー・フィナティによるソロ合戦が聴ける。一番はディストーションの掛かったエネルギッシュなギターを弾くバリー・フィナティか?

 

"Funky Sea, Funky Dew"

サード・アルバム「Don't Stop The Music」収録曲。

マイケルのテナー・サックスの独壇場。テーマからソロに至るまで吹きっぱなし。後半のフリーフォームによるアドリブはマイケルのショーケースだ。

 

"Squids"

サード・アルバム収録曲。

ラテンのリズムも取り入れたファンキーな曲。ランディマイケルの順にソロが回される。

イカ(複数形)というタイトルに??となるが、スラングで「社会的なルールが守れない」「バカな振る舞いをするさま」などを意味するらしい。Dont’t be a squid(バカなマネをするな、イキるな)という風に使うのだとか。

 

 

さて、このアルバムだがジャケットの端に切れ込み(表から見て左端上、裏から見て右端上)が入っているカット盤だ。

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で、盤はキレイで、音も良い。

やっぱりカット盤は良い。

音が良ければジャケットは気にしないという人にとっては、お勧め。

 

 

それにしても、このジャケット・デザインは何なんでしょう?

特にマイケルの恰好、よくわからん…

 

 

 

(おまけ情報)

ブレッカー兄弟テリー・ボジオは、フランク・ザッパのライブでも共演している(アルバム「Zappa in New York」に収録)。

その共演の後、少ししてからテリー・ボジオザッパ・バンドを脱退し、ブレッカー兄弟のバンドに参加したというわけ。