レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

Something / Come Together / The Beatles【ニュージーランド盤(モノラル)】

今回の「レコード評議会」は「B-SELSで買ったレコード」シリーズの続き。

 

バックナンバーを検索し易いよう、「B-SELS」をカテゴリーに追加して、シリーズものにしてみた。

 カテゴリー:B-SELS

 

ということで、今回採り上げるのは、このシングル盤だ。

 

 

The Beatles

Something / Come Together(7" Single)

ニュージーランド盤(1969年)モノラル

Apple Records

NZP. 3345

7XCE 21369(Something)

7XCE 21370(Come Together)


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"Something / Come Together"のニュージーランド独自カッティングだ。

 

1つ前の記事にある「Abbey Roadノルウェー(UKマザー、初回マト2/1)の購入を決めた後、万国博覧会状態のシングル盤コーナーに行き、端から見て行ったところ、おっ、ニュージーランド!と目に入ってきたのがこの盤。

 

B-SELSで前回購入した"I Should Have Known Better"のニュージーランドが高解像度・高音質盤で大いに感銘を受けたこともあり、これは聴いてみたい!

 

私「こちら試聴いいですか?」

ご店主「どうぞどうぞ聴いてください」

(両面とも試聴させていただく)

 

私「前回こちらで買ったニュージーランド盤が高解像度・高音質盤だったので、この盤もそうかな?と思っていたのですが、思っていた通りの良い音です。やっぱりニュージーランド盤は解像度が高い!これは買います」

 

家でじっくりと聴いた感想も交えて書いてみると、こんな感じだ。

 

Something

音がシャープですっきりしている。

ストリングスの音がキレイに真っ直ぐにこちらに届く。

そして一番感銘を受けたのは何と言ってもボーカル。サビ部分 "You’re asking me will my love grow. I don’t know, I don’t know..." でポールがコーラスを付けているが、ジョージもダブルトラックで歌っていた。今まで意識してなかったので、これには驚いた。

 

Come Together

音がシャープでタイト。

ジョンのボーカルの輪郭がピシッとしていて、存在感がスゴイ。

ジョンとポールがハモりながら歌うところ、それぞれのボーカルが明瞭に聴こえる。

 

やっぱりニュージーランドは解像度が高い!

 

でもって驚いたのが、てっきりステレオだと思っていたのが、実はモノラルだったことだ。

 

UK盤シングルはステレオ(一つ前のシングル"The Ballad of John and Yoko"からステレオ)なのだが、このニュージーランドモノラルなのだ。

 

以前に採り上げたオランダ盤イタリア盤モノラルだったが、ニュージーランドも1969年時点では依然としてシングルはモノラルが中心だったのか…

オランダ盤とイタリア盤の記事はこちら☟

 

ステレオミックス(「Abbey Road」収録曲のミックスダウンは全てステレオで行われている)モノラル化したものなのだが、それでこの解像度の高さはどうして?と思ったりもするが、ニュージーランド独自マスタリングカッティングがそうさせるのだろう。

 

ちなみに、オランダ盤イタリア盤ニュージーランドと聴き比べてみたが、あまりの音の違いに「全然違う!」と改めて吃驚。

特に、イタリア盤の「柔らかい空気感、明るく暖かい感じの音」(おそらくチューブカッティング)と、ニュージーランドの「明瞭、明晰、シャープで高解像度の音」とは対極にあるような音で、こういうのがアナログ・レコードの面白いところだ。

 

 

さて、音だけではなく、他のところにも目を向けてみる。

 

ニュージーランド仕様の Apple Records のカンパニー・スリーヴ付きなのだが、そこにはこう書かれている。

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  Made In New Zealand By E.M.I. Manufacturing Ltd.
  Distributed In New Zealand By H.M.V. (N.Z.) Ltd.

 

そして、センター・レーベルにはこう書かれている。

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  Made In New Zealand By His Master's Voice (N.Z.) Ltd.

 

これが意味するところは、英国本国では、英グラモフォンと英コロムビアが合併して1931年にEMI (Electric and Musical Industries Ltd) となっているにも関わらず、ニュージーランドでは英グラモフォンの流れを汲むHis Master's Voice (HMV) の名前が残っていたということ。

 

調べてみると、1926年に英グラモフォンを母体として His Master's Voice (New Zealandは設立され、1931年に英グラモフォンと英コロムビアとが合併した後も法人名は変更されずにいたのだが、1972年ついに EMI (New Zealand) となっている。

 

英国では、ビートルズのレコード・レーベルはParlophoneやAppleだが、レコードを製造販売している会社はEMIと認識されていると思う。
だがニュージーランドにおいては His Master's Voice と認識されているということか… 何だか面白い。

 

なお、ニュージーランドではEMIではなく、His Master's Voiceであることを教えてくれたのは、他でも無いB-SELSのご店主。

その時の記事はこちら☟


 

まあ、興味の無い方にとっては「だから何?」「なんのこっちゃ?」という話だと思う。

はっきり言って、社会生活の中において「役に立たない情報」「無用な情報」だと自分でも思う。

 

が、役に立たないからこそ、無用だからこそ、楽しく、面白いのだ。

「無用の用」とも言いますしね(←ちょっと違うか…)。

 

 

ということで、B-SELSで買ったレコード、残るは3枚。

続きは次回の「レコード評議会」で…

 

 

 

 

(追記)

B-SELSの日記に、行った日の様子が紹介されました。

ご店主、ありがとうございます。

 B-SELS 2023年9月20日の日記

 

また、この「レコード評議会」をご覧いただいたことがきっかけで、B-SELSに行かれた方がいらっしゃるとか!なんだか嬉しい話です。

 

なお日記には、買ったレコードの残る3枚の話も書かれています。

うーむ、我ながら何してるんだろう??(←反省はしていませんが…)