今回の「レコード評議会」も「B-SELSで買ったレコード」シリーズの続き。
B-SELSで買った5枚を、「Abbey Road」 ノルウェー盤、"Something / Come Together" ニュージーランド盤と採り上げてきた訳だが、残るは3枚。
で、その残る3枚というのが…
Strawberry Fields Forever / Penny Lane
オーストラリア盤(1967年)モノラル
Parlophone
A8243
7XCE 18415 7XAPA 1274
7XCE 18416 7XAPA 1275
Strawberry Fields Forever / Penny Lane
イタリア盤(1967年)モノラル
Parlophon
QMSP 16404 / QMPS 16404
7XCE-18415-T1 - 14-2-67
7XCE-18416-T1 - 14-2-67
Strawberry Fields Forever / Penny Lane
US盤(Scranton Pressing)(1967年)モノラル
Capitol Records
5810
45-X-45870-F3 #3 △IAM
45-X-45871-F5" #2 △IAM
B-SELSご店主の日記に
" そして、圧巻は、怒涛の「ストロベリー」3枚‼︎! いずれも貴重なピクチャー・スリーヴ付き "
と書かれてしまった3枚である(笑)。
私「これ買います」
ご店主「ええっ?ストロベリー3枚ですか!」
私「中学生の時に聴いて以来、ストロベリーはビートルズの中で一番好きな曲なんですよね。色々な音で聴きたくて、これは買いかな、と」
ということで、オーストラリア盤とイタリア盤は試聴させていただき、US盤は家に帰ってからのお楽しみにして、3枚とも購入した訳。
お店での様子はB-SELSの日記にあるので、ご覧ください。
でもって、実はこんな盤も持っている。
Strawberry Fields Forever / Penny Lane
UK盤(1967年)モノラル
Parlophone
R 5570
7XCE 18415-1 2 MM KT
7XCE 18416-2 7 GDP KT
Strawberry Fields Forever / Penny Lane
デンマーク盤(1967年)モノラル
Parlophone
R 5570
7XCE 18415-2 KT
7XCE 18416-2 KT
Strawberry Fields Forever / Penny Lane
オランダ盤(1967年)モノラル
Parlophone
R 5570
7 XCE 18415 |\|\⬜︎ HP007565-1
7 XCE 18416 \/\/△ HP007566-1-2
Strawberry Fields Forever / Penny Lane
ドイツ盤(1967年)モノラル
Odeon
O 23 436
7XCE-18415-1
7XCE-18416-1
という訳で、以前から持っている4枚(UK、デンマーク、オランダ、ドイツ)に、今回B-SELSで買った3枚(オーストラリア、イタリア、US)を加えて、現在合計7枚の"Strawberry Fields Forever / Penny Lane"が手元にある。
うーむ、我ながら何してるんだろう?と思わないでもないが、ビートルズ・ファン(マニア)にはよくあることだろう(←少なくともB-SELSの常連さんでは普通のことだろう)。
それならばと、"Strawberry Fields Forever"の聴き比べをしてみた。
UK盤
UK盤なので、聴き比べの基準となる音。しかも初回マト1、マザー2、スタンパーMM(=44)ということで、盤も悪くないと言うか、良い方だ思う。
なのに、曲調ゆえなのか、やや気怠い印象がある。くぐもった音とまでは言わないが、晴れた空ではなく、曇り空な感じの音。
B-SELSのご店主も「もともとストロベリーは何となくはっきりしない音ではありますねぇ」と仰っていたので、そうなのだろう。まぁ、この気怠さはこの曲の良さでもあるので、これはこれでアリではある。
UKマザーのマト2。Discogsによれば、デンマーク盤にマト1は無く、マト2のみらしい。
これが、音がすこぶる良い。UK盤初回マト1に比べて、音像がスッキリしており、見通しが良い。
マト1よりマト2の方がスッキリとした音なのだろうか?それともデンマーク特有のレコード材質の違いか?プレスの違いか?
いずれにしても、素直に聴くとマト1よりマト2の方が良い音のように感じる。
なお、ピクチャー・スリーヴは英国から輸入されたもの(裏面下に Made and printed in Great Britain と書かれている)。
ちなみに、デンマーク盤にはこんなデフジャケがあるとのこと。
地図はなかなかいい感じだが、写真の4人は「Revolver」の頃のものであり、"ちょっと違う感" が漂う…
オランダ盤
独自カッティング。
UK盤初回マト1に比べて少し高音域寄りで、明るく見通しの良い音。スッキリとしていて、聴き易い。
ジョンのボーカルに焦点が当たっているような音場で、他の盤に比べてボーカルが半歩前に出ている感じがする。
このピクチャー・スリーヴも英国から輸入されたもの(裏面下に Made and printed in Great Britain と書かれている)。
ドイツ盤
独自カッティング。
解像度が高く、キリッと引き締まった感じの音だ。ただ、音に伸びが無く、少し音が硬いか?という感じがする。
ピクチャー・スリーヴはかなり前の4人の写真であり、曲のイメージに全く合っておらず、"これは違う感" が漂う…
オーストラリア盤
独自カッティング。
B-SELSで試聴した時にも感じたのだが、音がきれいで、見晴らしの良い響きがする。しかもカッティング・レベルが高い感じがする。
そして何よりも、ジョンのボーカルが目立って聴こえる。
UK盤などは、ボーカルと楽器が横一線となって演奏していると言うか、ボーカルも楽器の一部であるのに対し、オーストラリア盤はボーカルが一歩前に出ている感じだ。
ピクチャー・スリーヴのデザインはUK盤とほぼ同じだが、上部の「波」が無く、真っ直ぐ。紙質もやや厚手でしっかりしている。
イタリア盤
独自カッティング。
カッティングレベルが高い。解像度は高くないが、大らかな印象の音で響きは悪くない。
そして、B-SELSで試聴した時にも思ったのだが、チェロの弦が響く音に明らかに厚みがあって、何となくイタリアン・プログレ(P.F.M.辺り)を彷彿とさせる。
そう思って聴くと、この曲、サイケでもあるけど、プログレにも聴こえてくる。
なお、レーベル面には"Parlophone"ではなく、何故か"e"が無い"Parlophon"とある。
また、レーベル面にあるカタログ・ナンバーは "Strawberry..."の面は QMSP 16404 (左)。その一方、"Penny Lane"の面は QMPS 16404 (右)となっている。QMSPが正しく、QMPSはエラー表記なのだ。レア盤。
ちなみに、イタリア盤にはこんなデフジャケがあるとのこと。
4人の写真やデザインはいい感じだが、曲のイメージに合っておらず、やはり"何だか違う感" が漂う…
US盤
独自カッティング。
B-SELSでは試聴せず、家でのお楽しみにしていたのだが、予想外の良さにちょっと吃驚。
UK盤に比べてカッティングレベルが高い。
鮮度も高いし、抜けの良い音で、響きも良い。
おかしいな?…UK盤より良いのでは?
アメリカゆえに、サイケデリックものが得意なのか? そう言えば "I Am The Walrus" は良い音だった…(→ こちらの記事をご参照)
US盤は音がイマイチという思い込みがあったのだが、結構良いものもあるんだな…と認識を新たにした。
「良いものもある、悪いものもある」(増殖)と言うことなんですね…
ということで、全7枚の聴き比べをしてみた訳だが、それぞれに特徴があり、面白い。
で、私の好みの音を上から並べてみると、こんな感じかな、と。
最優秀賞:オーストラリア盤、デンマーク盤
優秀賞 :US盤、オランダ盤
入賞 :UK盤
敢闘賞 :ドイツ盤
特別賞 :イタリア盤
オーストラリア盤とデンマーク盤(UKマザー/マト2)はそれぞれの良さが甲乙付け難く、2枚とも最優秀賞。
US盤は予想外の良音、オランダ盤は安定の良音で、同じく優秀賞。
UK盤(初回マト1)はまさかの入賞止まり。
ドイツ盤は高解像度ながら、音が硬いので、敢闘賞。
イタリア盤はいわゆる「良い音」とは違う気がするが、プログレを感じさせる独特な響きに特別賞を贈る。
(注記)下線の盤が今回B-SELSで買ったレコード
さて、実はこんな1枚も持っている。
ストロベリー・フィールズ・フォレバー
ペニー・レイン
EMI / Odeon(1977年)ステレオ
EAR-20234
7XCE-18415-S 1S 6 〄 09-57
7XCE-1839416-S 1S 6 〄
1980年代初め、中学の頃に買った思ひ出のレコード…
ピクチャー・スリーヴの内側には歌詞が掲載されているが、当時、歌詞を追いながらレコードに聴き入っていたものだ。
その歌詞、サウンド、テープ・スピードを変えて前半と後半を繋いだというエピソード、どれも中学生だった私に刺さった。
また、最初に買った盤の音が何故か悪かったため、納得できないとして買い直しをした記憶もある。
良い音で聴きたい、とやっていることは、昔も今も基本的に変わらないなぁ。
あれからビートルズも色々と聴き、その他ミュージシャン、その他ジャンルもあれこれ聴くようになったが、"Strawberry Fields Forever"はやっぱり一番好きな曲と言うか、別格の一曲なんだろうな…
という訳で、「B-SELSで買ったレコード」シリーズは一旦これにて終了。
再開は次回B-SELSに行った時になります。
お楽しみに…
(追記)
B-SELSの日記にまたまた「レコード評議会」を紹介していただきました。
ご店主、ありがとうございます。
レコードを聴くと、B-SELSでの楽しいひと時が思い出され、それもまた いとおかし…