レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

ベルリオーズ:幻想交響曲 / シャルル・ミュンシュ(指揮)、ボストン交響楽団【日本盤(モノラル)】

前回「モア・ブラームスカーラ・ブレイを採り上げたこともあり、久しぶりにクラシックを聴こうと思い、レコ屋に行った。

 

ブラームス交響曲とかで良い盤はないかな、とエサ箱へ向かう。交響曲コーナーの頭文字Bのところだ。

 

だが、ブラームスで良い盤は無かった。

しかし、代わりにこんな盤を見つけた。

 

なんだ、これは!

 

ということで、今回の「レコード評議会」はこの盤。

 


Berlioz

Symphonie Fantastique, Op.14

Charles Munch

Boston Symphony Orchestra 

日本盤(1955年?)モノラル

Victor / Victor Red Seal Record 

LS - 2040

Side1:E4RP8535  ②  1-1-S  ☆9  P

Side2:E4RP8536  ②  1-1  M☆9  P


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Side1

 1st Movement:Rêveries - Passions

 2nd Movement:Un bal

Side2

 3rd Movement:Scène aux champs

 4th Movement:Marche au supplice

 5th Movement:Songe d'une nuit du Sabbat

 

ベルリオーズ

幻想交響曲 作品14

 第一楽章:夢・情熱

 第二楽章:舞踏会

 第三楽章:野の情景

 第四楽章:刑場への行進

 第五楽章:魔女の祝日の夢

シャルル・ミュンシュ指揮

ボストン交響楽団

 

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なんだ、これは!

思わず、岡本太郎のフレーズが口を衝く。

 

こんなにもインパクトのあるジャケットはなかなか無い。

あの有名な「クリムゾン・キングの宮殿」に匹敵するインパクトだ。

 

ネットで調べたところ、米国盤のジャケット裏面にこの絵の説明が書いてあるのを見つけた。

Jane Sinnicksona.k.a. Jane Flora)による油絵。彼女はベルリオーズのファンであり、この絵はベルリオーズとハリエット・スミスソン幻想交響曲を作曲するきっかけとなった女優)に捧げられている、とのことだ。

第五楽章さながらに、スミスソンが魔女と化した姿なのか?

 

ちなみに、Jane Sinnickson(a.k.a. Jane Flora)の作品にはこにようなものがある。


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演奏者を見ると、シャルル・ミュンシュ指揮のボストン交響楽団

ジャケットは違うが、RCA Living Stereoシリーズの演奏と同じものだ。

 

持っているCDのジャケットはこれ☟

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これは買うしかない、と購入を決めた(値段たったの500円)

 

Discogsを見ると、RCA Victor Red Sealから1955年にモノラルで発売されている米国盤がオリジナルだ。

 

ジャケットについては、最初は魔女(?)のデザインで発売されたが、直ぐに赤い抽象画(?)に切り替わったようだ。

魔女の絵が不気味だ怖いと不評で、差し替えになったのではないだろうか…

 


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ちなみに差し替え後のデザインは、CDに記載されているデータによるとRed Herring Designと言うらしい。

Red Herringは訳すと"赤いニシン"、"ニシンの燻製"となるが、"重要な事柄から人の注意を他にそらすもの"、"目くらまし"といった意味で使われる慣用句(燻製ニシンの虚偽とも言う)。なるほど…

 

さて、今回購入したこのレコード、日本盤なのだが、Discogsにもどこにもデータが無い。

 

レコード盤の重量(180g)、レーベルのデザイン、ジャケットの経年劣化状態、裏面に記載されている解説文などから、かなり古いものであることは間違いないが、いつ発売されたのだろう?

 

そこでマトリックス・ナンバーを見てみると、Side1:E4RP8535、Side2:E4RP8536米国オリジナル・モノラル盤と同じ。米国で製造されたメタルマザーが日本に送られ、日本でプレスされたもの、ということのようだ。

 

次に曲名を見てみると、第四楽章は"刑場への行進"(普通は"断頭台への行進")、第五楽章は"魔女の祝日の夢"(普通は"魔女の夜宴の夢"または"ワルプルギスの夜の夢")となっており、訳が定まっていない時期に発売されたもの、ということが言える。

 

ということで、諸々の情報を総合すると、米国オリジナル・モノラル盤が発売された1955年ないしはそう遠くない時期にこの日本盤は発売されたもの、と言えそうだ。

 

では、肝心の音はどうか、と言うと、これがかなり良い。と言うか、素晴らしく良い。

煌びやかな高音、深く響く低音。第五楽章で響く鐘の音もとてもリアルだ。

鮮明、鮮烈という言葉がぴったりの素晴らしい音だ。

 

聴いたことは無いが、米国オリジナル・モノラル盤と同等の音と言って差し支えないだろう。

 

内容も個人的に好みの演奏だ。

シャルル・ミュンシュ幻想交響曲と言えば、パリ管弦楽団との1967年録音が最も有名。

ボストン交響楽団との1962年録音も高く評価されている。

で、ボストン交響楽団との1955年録音であるこのレコードの演奏もなかなか良い。

 

一番気に入ったのが第五楽章。

勢いがあり、アンサンブルが乱れ気味になるところもあるのだが、それがかえって魔女の夜宴の感じをよく表している。

 

 

ということで、ジャケットのインパクトに惹かれて、いわゆるジャケ買いだった訳だが、音も演奏も素晴らしく、しかも格安(たったの500円)だったので、こんなこともあるんだな、と。

 

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それにしても、インパクトあるな、このジャケット…

 

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