レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

A Hard Day's Night / The Beatles【UK盤(モノラル)】

B-SELSで買ったレコード」シリーズ:シーズン6も今回で最終回

 

最終回とは言っても、あくまでもシーズン6(6回目の訪問のこと)のことだが…

 

ということで、今回の「レコード評議会」は…

 

 

The Beatles

A Hard Day's Night

UK盤(1964年)モノラル

Parlophone

PMC 1230

Side1:XEX 481-3N   RPL  2

Side2:XEX 482-3N   ROR  4


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Side1:Songs from the film "A Hard Day's Night"

  1. A Hard Day's Night

  2. I Should Have Known Better

  3. If I Fell

  4. I'm Happy Just To Dance With You

  5. And I Love Her

  5. Tell Me Why

  6. Can't Buy Me Love

Side2

  1. Any Time At All

  2. I'll Cry Instead

  3. Things We Said Today

  4. When I Get Home

  5. You Can't Do That

  6. I'll Be Back

 

ハード・デイズ・ナイトUK盤

マトリクスは 3N / 3N の初回マト。マザー・スタンパーは A面 2 RPL(268番)、B面 4 ROR(252番)

 

 

王道のUKモノラル初盤、いわゆるオリジナル盤だ。

まあ、スタンパー3桁ということで、普通と言えば普通の盤ではある(←UKオリジナル盤を"普通"と書く時点で普通では無くなっている気もするが…)

 

だがしかし、この盤は普通では無かった

 

どういうことか? それをこれから書くことにしよう。

 

 

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先の記事に書いた3枚の購入を決めて「今回はこのくらいにしておこう」と精算をした。

 

Give Peace A Chance / Plastic Ono Band【デンマーク盤】

The Beatles (White Album) / The Beatles【イタリア盤(ステレオ)】

Beatles VI / The Beatles【カナダ盤(モノラル)】

 

既にB-SELSに滞在して2時間が経過していた。

 

だが、ご店主の「時間がありましたら視聴だけでも是非どうぞ」との言葉に甘え、改めて棚を見て回った。

 

気になったのが面出しになっていた「ハード・デイズ・ナイトUKモノラル盤だった。

 

確かこれはB-SELS日記に書いてあった盤ではなかったか?

B-SELS ビーセルズ | 日記 | 『A HARD DAY’S NIGHT』 UKモノラル初盤 おお、何と素晴らしい音!!!!!

 

ご店主によるポップにはこの様なことが書いてあった。

 

 UK モノ 1st. スゴイ音

 超オススメ!!

 びっくりするような良い音です。ぜひ視聴を!

 

スタンパーは3桁だが、ご店主が「スゴイ音」いや「モノスゴイ音」とまで書いている盤だ。どんな音がするのか?どれほどスゴイのか?と興味が沸いた。

 

「これって、日記に載っていた盤ですか?」

ご店主「そうです。よかったら、聴くだけでも是非聴いてください」

「いいんですか、それではA面3曲目までお願いします」

ご店主「元気が出る音ですよ」

 

そう言ってご店主はA面に針を下ろした。

 

 ジャーン!!!

 

無音の中から突如、モノスゴイ音がスピーカーから飛び出してきた。

続いて It's been a hard day's nightジョンが飛び出してきた。モノスゴイ疾走感だった。

 

1曲目が終わった。無音になった。中古レコードにあるチリパチリが無かった。

 

突如、活き活きとしたハーモニカが鳴り出した。

次いで  I should have known better with a girl like you と楽しそうな歌声。ジョンの嬉しそうに歌う顔が見えた。

 

2曲目が終わった。また無音になった。チリパチリが全く無かった。

 

いきなり If I fell in love with you と始まった。そこにジョンがいた。

そして If I give my heart to you からは複雑ながらも綺麗で澄んだ響きの美しいコーラス。そこにポールの姿も見えた。

 

3曲目が終わって、ご店主が針を上げた。

 

唖然とした。

あまりの音の素晴らしさに唖然とするしか無かった。

 

「これはスゴイです。本当に綺麗で素晴らしい音です」

ご店主「表面にスレはありますが、溝がとても綺麗なのでしょう」

「これは驚きです。聞かせていただいてありがとうございました」

 

名残惜しく、後ろ髪を引かれる思いで B-SELSを後にした。

 

近鉄奈良駅に向かいつつ、B-SELS日記を見た。

B-SELS ビーセルズ | 日記 | 『A HARD DAY’S NIGHT』 UKモノラル初盤 おお、何と素晴らしい音!!!!!

 

びっくりするくらい音が良い

恐ろしく艶と迫力のある、何とも言えないくらい良い音

音としては理想的ではないだろうか

通常の盤の何倍も元気に聴こえるだろう

 

帰れなくなった。

 

レコードは一期一会。ここで逃したら、あの音にはもう巡り会えない、と思った。

 

買おう。

 

引き返して、B-SELSの扉を開いた。

 

「すみません、戻ってきました」

ご店主「え?」

「先ほどのハード・デイズ・ナイト、買います」

ご店主「ええっ?」

 

「あの音を聴いたら、帰れなくなってしまいました」

ご店主「それはありがたいですけど、まあ、まずは聴いてください。先ほどからの続きで良いですか?」

 

ご店主はA面4曲目に針を下ろした。

 

…A面を聴き終えた。

やはり曲間は無音だった。チリパチリが聴こえなかった。

そして音は素晴しかった。ギター、ベース、ドラム、ボーカル、どの音も綺麗で、繊細で、かつ力強く躍動感があった。呆然とした。

 

ご店主「"Can't Buy Me Love"がここまで聴ける盤はなかなか無いです」

「本当にスゴイです。B面もいいですか?1曲目と5曲目を聴きたいです」

 

 

そう言ってご店主はB面に針を下ろした。

 

 バン!!!

 

無音の中から突然、モノスゴイ音がスピーカーから飛び出してきた。

続いて Anytime at allジョンが飛び出してきた。モノスゴイ躍動感だった。

 

ご店主「次は5曲目とのことでしたが、3曲目は是非聴いて欲しいです」

 

アコースティック・ギターによるカッティングが綺麗に、そして力強く鳴り響いた。そして You say you will love me とポールがやや物憂げにマイクに向う姿が見えた。

ご店主が強くお勧めしたのがよく分かった。

 

4曲目以降も続けて聴いた。

 

特に聴きたかった5曲目も、I got something to say that might cause you painジョンぶっきらぼうに歌い、ギターを掻き鳴らす姿が最高だった。

 

…B面を聴き終えた。

こちらの面もチリパチリが無く、曲間は無音だった。

そして、やはりどの音も綺麗で、繊細で、かつ力強く躍動感があった。

 

ご店主ビートルズのこの当時のレコードは聴き込まれているので、この様に綺麗な溝の盤はなかなかありません。数十枚に一枚見つかるかどうかでしょうね。 ほとんど聴かれていなかった盤なのだと思います」

「これは聴かなければ分からないですね。見た目とかスタンパー桁数だけでは分からない」

ご店主「最初にこの盤を聴いた時、A面のジャーン!B面のバン!を聴いただけで、これは良い音だ、と感じましたよ」

 

「買います」

ご店主「ありがとうございます」

 

晴れやかな気持ちで、B-SELSを後にした。

 


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ということで、本当に素晴らしい音だった。

 

家に帰ってから改めてじっくりと聴いたが、やっぱり曲間はチリパチリが無く、無音

そして音そのものも、やっぱり素晴らしい音だった。

 

1964年と今から60年も前のレコードで、こんな音がするのか?と驚くばかりだ。

 

美しさ力強さが同居している理想的な音

 

変な例えかも知れながいが、この彫刻の様な音といったら良いだろうか?

 

ミケランジェロ作  ダビデ像

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ということで、 今回のB-SELS参りも大変実りのあるものだった。

 

次回はいつ行けるのだろうか…

B-SELS ビーセルズ

 

 

 

(追記)

B-SELS日記にご紹介いただきました。

ありがとうございます。

B-SELS ビーセルズ | 日記 | 『RUBBER SOUL』 UKステレオ美盤 初回マト2 +極美ジャケ A面最高峰1G これがステレオ最強1Gの音!!!!!!!!!!