レコード評議会

お気に入りのレコードについてのあれこれ

The Brecker Bros. / The Brecker Brothers【US盤】

前回デビッド・サンボーンを採り上げた。

Another Hand / David Sanborn【ドイツ盤】

 

その流れから、彼が参加しているロック・ポップス系のものにしようか、ジャズ・フュージョン系のものにしようか、などとあれこれ考えた挙句、やっぱりこの人達は外せないだろう、ということで、今回の「レコード評議会」は…

 

The Brecker Brothers

The Brecker Bros.

US盤(1975年)

Arista

AL 4037

Side1:AL-4037-SA-RE-1-1 STERLING PRC

Side2:AL-4037-SB-RE-1-1 STERLING PRC


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Side1

  A1. Some Skunk Funk

  A2. Sponge

  A3. A Creature Of Many Faces

  A4. Twilight

Side2

  B1.Sneakin' Up Behind You

  B2. Rocks

  B3. Levitate

  B4. Oh My Stars

  B5. D.B.B.

 

Randy Brecker:Trumpet, Vocals(B4)

Michael Brecker:Tenor Saxophone

Dave Sanborn:Alto Saxophone

Don Grolnick:Keyboards

Bob Mann:Guitar

Will Lee:Bass, Vocals(B1)

Harvey Mason:Drums

Christopher Parker:Drums(B1)

Ralph MacDonald:Percussion

 

ブレッカー・ブラザーズ、1975年リリースのファースト・アルバム。

 

ブレッカー・ブラザーズは、ランディ(兄、トランペット)マイケル(弟、テナー・サックス)によるフュージョン・バンド。

 

ランディ・ブレッカーのバンド結成に至るまでのキャリアは…

 

1967年、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ(Blood, Sweat & Tears、ジャズ・ロック・バンド)のメンバーとしてファースト・アルバムに参加

1969年、ホレス・シルバー(Horace Silver)のアルバムに参加

1969年、リーダー・アルバム「スコア(Score)」をリリース(弟も参加)

1970年、弟と共にドリームス(Dreams、ジャズ・ロック/フュージョン・バンド)のメンバーとしてアルバム2枚に参加

以降も様々なミュージシャンと共演、アルバムに参加(Hal Galper, Horace Silver, Mike Mainieri, Larry Coryell, James Taylor, Todd Rundgren, Lou Reed, Average White Band, Billy Cobham, Don Sebesky, etc.)

1975年、弟と共にブレッカー・ブラザーズを結成、ファースト・アルバムをリリース

 

マイケル・ブレッカーのキャリアは…

 

1969年、兄のリーダー・アルバム「スコア」に参加
1970年、兄と共にドリームスのメンバーとしてアルバム2枚に参加

以降も様々なミュージシャンと共演、アルバムに参加(Hal Galper, Horace Silver, Mike Mainieri, James Taylor, Todd Rundgren, Lou Reed, John Lennon, Average White Band, Billy Cobham, Paul Simon, etc.)

1975年、兄と共にブレッカー・ブラザーズを結成、ファースト・アルバムをリリース

 

そんな売れっ子ミュージシャンの彼ら兄弟が結成したのが、その名前を前面に出したバンド、ブレッカー・ブラザーズ

 

この時期のバンドのメンバーには、デビッド・サンボーン(アルト・サックス)も参加しており、三管編成となっている。

 

気に入っている曲を中心にいくつか紹介する。

なお全て作曲はランディによるものだ("Sneakin' Up Behind You"のみ全員のクレジット)

 

"Some Skunk Funk"

後々も演奏され続けられる彼らの代表曲。テクニカルでメカニカルなファンク・ナンバー。ただファンクと言っても黒くは無く、ホワイト・ファンク。

音を外したような感じのフレーズによるリフがカッコいい。ソロはランディマイケル

 

"Sneakin' Up Behind You"

これもテクニカルでメカニカルなホワイト・ファンク。レコード会社からシングル受けする曲を要求されて作った曲とのことで、ウィル・リーによるボーカルが入っている(タイトルを唱えるだけだが…)ビルボード58位になっている。

 

"Rocks"

イントロ部分がエラくカッコいい。「オレ達がブレッカーズ・ブラザーズだ」と言うかのように盛り上がる。ライブだったら1曲目に持ってくるとと映えるだろう。何故アルバム1曲目に持ってこなかったのだろう。

メイン・テーマに入ると、テクニカルでメカニカルなホワイト・ファンク。

この曲の聴きどころはマイケルデビッド・サンボーンによるサックス・バトル。このテクニカルなのはマイケルだな、これはいつものサンボーン節だな、という風にそれぞれのフレーズの特徴がよく出ていて面白い。

 

"Oh My Stars"

ランディがボーカルを取っている歌付きフュージョン(と言うか、AORナンバーか?)。歌うのか…と思ったが、結構味のある声で、サマになっている。

 

アルバムを通して、テクニカルでメカニカルなフレーズをビシビシとキメる、ランディマイケルデビッドによる三管編成のホーンセクションがとにかく強力で快感だ。

 

 

さて、このアルバムだがジャケットの端に切れ込みが入っている(表から見て左端上、裏から見て右端上)

 

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いわゆるカット盤カットアウト盤というやつだ。

 

何故こんなことになるのかと言うと…

レコード会社はこれ以上は売れないと判断すると、そのレコードを廃盤にする。そして在庫となってしまった廃盤レコードのジャケットの角や端をカットしたりドリルで穴を空けたりして商品価値を落とし、中古品として値引きして市場に流す。廃棄するよりマシという訳だ。

 

そんなカット盤であるこのレコード、キズやスレも無く、ミゾもキレイで頗る音が良い。パキッとした音で、鮮度も高い良音だ。

 

カット盤ということで、一般消費者の手に渡ること無く、中古市場で彷徨っていたため、盤そのものは実質新品状態なのかも知れない。

 

そう言えば、いくつか持っているカット盤も同じようにキレイで、音が良い。

 

ジャケットがボロボロでも音が良ければノープロブレムという人にとっては、カット盤は狙い目だ(と思う)

 

 

 

(予告)

ということで、次回の「レコード評議会」もカット盤で行きます。