前回に続き、今回の「レコード評議会」も「B-SELSで買ったレコード」シリーズ:シーズン13となります。
オリジナル・アルバムのUK盤やUKマザー盤も良いのだが、気分は独自編集盤とか独自カッティング盤…
手頃なところで何か面白い盤はないかな?とエサ箱を掘ると、目に付いたのがこの盤…
The Beatles
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
US盤(Los Angeles Pressing)(1967年)ステレオ
Capitol Records
SMAS 2653
SideA:SMAS-1-2653-B-11 1 ❊
SideB:SMAS-2-2653-B-11 1 ❊ 2







「サージェント・ペパー」USステレオ盤。
ご店主の手によるポップにはこうある。
US. Orig. ステレオ良盤
サイケ・スリーヴ付き
"A LITTLE HELP〜"レーベルの初期盤 ‼︎
当たり外れがあるUS盤だが「サージェント・ペパー」はどうなんだろう?ポップには「良盤」「初期盤」とあるし、気になる…
私「このサージェント・ペパーのUS盤、どんな感じなんですかね?」
ご店主「ステレオの方ですね。聴いてみますか」
私「いいですか、お願いします」
A面を試聴(特に印象的なものだけ記載すると…)。
"Sgt. Pepper's..."でのギンギンのギター、ズンズンと鳴るベース、バシッとしたドラム… これはなかなか良い音ではないか?!
続く"With A Little Help..."も音のキレが良く、ベースも跳ねる様に歌っている。このベースは特に良い。
サイケデリックな"Lucy In The Sky..."や"...Benefit Of Mr. Kite!"も、キラキラしたサウンドが素晴らしい。
一方で"She's Leaving Home"、ストリングスやハープが明るく綺麗で悪くはないのだが、アメリカン(?)な響きは深みに乏しいか?
途中、他のお客さんの試聴(※)を挟んで、B面も試聴(こちらも特に印象的なものだけ記載)。
(※) "Happy Xmas (War Is Over)"(グリーンのカラーレコード)の試聴に同席。クリスマス前の時期なだけに良い時間でした。
インドな"Within You..."は、シタール、ディルルバ、タブラなどのインド楽器が明瞭な音で楽しめる。混沌さの無いすっきりしたインド?
"Good Morning..."はバリバリとしたサックス・セクションとギンギンなギターで押してくる。
ライヴ感のある"Sgt. Pepper's...(Reprise)"はやっぱりギンギンなギターが凄い。ベースやドラムも押し出しが強く、US盤はロックな曲で威力を発揮するな、と。
そして"A Day In The Life"、よく歌うベースとドラムが気持ち良い。最後の高周波音と"Inner Groove"が収録されていないのは知識として知っていたが、ピアノの残響音がまだ続いている中、最後フッと絞られ消えてしまう…
私「"Inner Groove"が無いのみならず、最後はフッと絞られちゃうんですね」
ご店主「辛抱が足りないですね(笑)」
私「ホント、辛抱が足りない(笑)」
私「それはそうとして、キレがあるし、ベースもよく鳴っているし、このUS盤、結構良い音じゃないですか。 "Sgt. Pepper's..."などロック系の曲は特に良いですね」
ご店主「ギターはハードロックみたいな感じになってます(笑)。ジミヘン(※)も出て来た頃ですしね」
(※) そう言えば、ジミヘンは"Sgt. Pepper's..."をライヴでカバーしている。
私「US盤はロック系には合う音ですね。ただ、"She's Leaving Home"は以前に買ったドイツ盤やUK盤の方が深みがあるかな」
ご店主「ドイツ盤やUK盤の方がどっしりした感じですしね」
私「それに対して、US盤はバーンと開放的で明るい響きですね。これはこれで良い音ですよ。ホワイト・アルバムのマスタリングにジョージがダメ出しをしてやり直させたというエピソードがあるので、US盤は当たり外れがあるイメージなんですけど、この盤は予想外の良さです。そう言えば『リボルバー』USステレオ盤も結構良い音だし、同じ感じですね」
ご店主「何と言っても『サージェント』はアメリカで凄く売れましたから、このUS盤が全世界で1番聴かれている訳で、ある意味スタンダードと言えるかも知れません(笑)」
私「なるほど、そうとも言えますね(笑)」
私「レーベルの"A Little Help..."って、"With"が抜けているんですね。ホントだ、抜けてる。こういうの、好きですね(笑)」

今気付いたのだが、"...Benefit Of Mr. Kite!"の"!"も抜けている。さすがUS盤、相変わらずいい加減である…
私「ところで、この"B-11 1"の意味するところは何なんですか?」
ご店主「"B-11"はマトリクスです。カッティングに際して、ステレオではマシンAによる盤には"A"、マシンBによる盤には"B"と刻まれる訳です。モノラルですと"F"とか"T"です」
私「あぁ、『マジカル・ミステリー・ツアー』USモノラルは確か"F"でした。そうなんですね」
ご店主「"1"の部分はアナログ・ミステリー・ツアーによればスタンパー番号とのことです。でもマーケットが巨大でどんどんプレスするアメリカではいちいちスタンパー番号を刻まないのでは?と。だから私はマザー番号ではないかと思っているんです」
私「なるほどですね。勉強になります」
私「では、これもいただきます!」
ご店主「ありがとうございます!」

ということで、勉強にもなる楽しい時間を過ごさせていただいた訳だが、もう一つ面白いことが…
私「いやぁ、『サージェント』のUS盤、予想を超えて良い音でした。B-SELSはこうやって試聴して確認が出来るからありがたいです」
ご店主「ステレオは良いんですけどね、モノラルは変わった音と言うか、サイケなんですよ。よろしければ聴いてみますか?まだ出荷前でクリーニング出来ていない盤なんですけど」
私「良いんですか?ありがとうございます。では少しだけお願いします」
A面の"Sgt. Pepper's..."、"With A Little Help..."と聴く。
私「モノラルはこういう音なんですね。少しブーストぎみな音ですかね」
そして"Lucy In The Sky..."が始まると…
何だ?この音?
私「何と言うか、サイケな音?ですね」
ご店主「そうなんですよ」
私「60年代の"煙"の中にいる様な音ですね(笑)」
ご店主「そう、アヘン窟の中にいるみたいです(笑)」
私「アヘン窟!いやホントそんな感じです!何ですかこの音(笑)」
ご店主「何でこんな音にしてしまったんでしょうね。『マジカル・ミステリー・ツアー』のUSモノラルがあんなに良い音なのに『サージェント』は何で?って不思議です」
私「ホント不思議です。アヘン窟… 危険な音です…」
ご店主「出品するには確認のため全部聴くんですが、これからこれを聴くかと思うとねぇ(笑)」
私「アヘン窟で!(爆)」
ご店主、今回も楽しく勉強になりました。
ありがとうございました。

ということで、毒(B-SELS / ビートルズ)を以て毒(ザッパ)を制す。
ザッパ中毒から抜けて、すっかりビートルズ一色、と言うかビートルズ中毒に…
さすがB-SELS、猛毒である。
いや、アヘン窟か…
いずれにしても危険なところである。
(追記)
B-SELSの日記で紹介いただきました。
こちらこそ楽しい時間でした。
ご店主、ありがとうございます!